ステータス・アップデートの映画専門家レビュー一覧

ステータス・アップデート

「ヘアスプレー」のアダム・シャンクマン監督が製作総指揮を務めた青春ドラマ。自分に自信のないカイルは学校になじめず、恋人もいない。そんなある日、不思議な男から、投稿したことが現実になるアプリ“ユニバース”がダウンロードされたスマホを渡される。出演は、ドラマ『オースティン&アリー』のロス・リンチ、ドラマ『やってないってば!』のオリヴィア・ホルト、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のコートニー・イートン、「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」のロブ・リグル、「X-MEN」シリーズのファムケ・ヤンセン。監督は、「ミッドナイト・サン タイヨウのうた」のスコット・スピアー。
  • 批評家、映像作家

    金子遊

    留学したとき、アメリカの高校は米国社会の縮図だと知った。生徒会、アメフトチーム、チアリーダーに属する強者が権力をもち、オタク、変人、同性愛者、人種的マイノリティなどの弱者を牛耳る。大人になれば、それが富裕層と貧困層に変わるだけ。そんな権力関係を簡単に変えられるスマホのアプリがあったら? 本作はお気楽な青春コメディに見えるかもしれないが、このおとぎ話が人々に必要とされる切実な理由は、アメリカでティーンエイジャーでもやらないと中々わからないかも。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    確かに今の世の中、スマホがあれはほぼ用が足りる。だからといってSNSのステータスをアップデートするだけで“人生思い通り”ってどうだろう? 願いごとがすべて叶うアプリを手に入れたモテない主人公が、難しいことを考えないで友人・彼女・名声が手に入る軽快さは今風だが、アプリに人生をあっさり乗っ取られたようで、ドラマとして物足りない。さらにアプリを削除すると同時にリアルな現実に戻れるという筋書きも安易では? せめてスマホ依存への皮肉が効いていれば。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    ディズニー・チャンネル出身の、ビジュアル的にも内面的にも健康的(に見える)男女が、出発→成功→挫折→発見というテッパンの物語を、珠玉の音楽にのせて送る、エンタテインメント界におけるアメリカのポジティブ面が前面に出た一本。こういう「陽」の世界があるからこそ、「陰」の表現も発達する。アイテムこそアプリという現代仕様に「アップデート」されているが、いつの時代にも変わらない王道の力は強い。これはこれでアメリカの良心としてジャンルを継承し続けて欲しい。

1 - 3件表示/全3件