ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンスの映画専門家レビュー一覧

ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス

ファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドの半生に迫るドキュメンタリー。音楽史を変えたパンクムーブメントの誕生秘話や、デザイナーとしての躍進と挫折など、世界的人気ブランドとして成功するまでの知られざる道のりが彼女自身の言葉で語られる。ヴィヴィアン・ウエストウッドの公私にわたるパートナー、アンドレアス・クロンターラー、スーパーモデルとして時代を牽引したケイト・モスやナオミ・キャンベル、ファッションエディターのカリーヌ・ロワトフェルドやアンドレ・レオン・タリーらが出演、証言者として彼女の魅力を語る。
  • ライター

    石村加奈

    ゴージャスなソファで頬杖をつくエレガントな老女。しかし、マルコムと築き上げたパンク・ファッションについてなど「洗いざらい話す必要ないでしょ?」と辛辣だ。話したいことしか話さない、退屈な過去にまつわるインタビューより、グリーンピースとの北極訪問など、環境保全活動に奔走する、彼女のいまの姿を追いかけた方が、アイデアに富んだ、華やかなヴィヴィアン・ウエストウッドの世界観に、相応しい気もする。彼女の一貫した政治的主張は、マルコム以上にパンクだと思うから。

  • 映像演出、映画評論

    荻野洋一

    本作は同欄「マイ・ジェネレーション~」の続篇とも言える。70年代後半は終末思想のもとパンク=NWが台頭。ヴィヴィアンは自分の店の店員と常連客に衣裳を着せてセックス・ピストルズとして売り出す。彼らはストーンズらをOWとこき下ろし、「恐竜はさっさと滅べよ」と毒づく。私事だが筆者はこの当時、ローティーンのNWかぶれ。筆者が音楽を真剣に聴いたのは人生でこの数年間に限られる。ヴィヴィアンの服はもうパンクではないが、彼女自身は依然としてパンクだ。

  • 脚本家

    北里宇一郎

    彼女がパンク・ファッションの生みの親と聞いて身を乗り出す。ピストルズ、カッコよかった。それからのデザインはあまり魅力を感じない。大向こうを狙った奇矯を売り物にしてるみたいで。でも大メジャーなんだよね。だから自分は門外漢なんだ。けど知らない世界を見るのは面白い。もっとヴィヴィアンその人に語らせたらと思う。他者のコメントを控え、個性そのもののご本人に密着して、徹底的に本音を吐き出させたらと。(元を含む)夫たちや息子たちのどこかイジけた顔つきは彼女の反映?

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