探偵なふたり:リターンズの映画専門家レビュー一覧
探偵なふたり:リターンズ
マンガ喫茶の店長とベテラン刑事のコンビが活躍する「探偵なふたり」の続編。念願の探偵事務所を開業させたデマンとテス。だが、高額の成功報酬を提示された最初の依頼は、結婚を控えた男性の不審死に端を発し、やがて彼らを前代未聞の窮地に落とし込んでいく。デマンとテスを、前作に続きクォン・サンウとソン・ドンイルが演じ、元サイバー捜査隊のヨチ役で「フィッシュマンの涙」のイ・グァンスが初参加。監督は「肩ごしの恋人」「女は冷たい嘘をつく」のイ・オンヒ。
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批評家、映像作家
金子遊
以前ミステリーの脚本を書いていたので、トリックや推理にはうるさい方だ。妻子を抱える中年男性によるバディもので、喜劇的な作品としておもしろく見たが、推理オタクの探偵が観察眼によって「流行らない中華料理店の料理人」を推理する件は、ありきたりで弱い。軽いタッチの作品なのはわかるが、犯人の動機から主人公に逆さに推理させるのはご法度だろう。現場に残された物証で観客も一緒に推理できるようにすべき。いくら元刑事でも、警察が捜査に動いてくれる現実感もわかない。
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映画評論家
きさらぎ尚
推理オタクと休職刑事の凸凹コンビに、元サイバー捜査隊のレジェンドが賑やかしとして加わり、トリオに。クォン・サンウとソン・ドンイルの、二人の快調なコンビネイション+新参のズッコケぶりは、そこそこ面白い。にしても二人が揃って妻に頭が上がらないのは不思議。コミカルな探偵物語を意図してのことだろうが、その分キレが不足。二人のキャラを工夫したらドラマが締まったかもと考えつつ、70年代の日本のTVドラマ、萩原健一と水谷豊の探偵コンビの愉快さを思い出す。
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映画系文筆業
奈々村久生
コメディとシリアスの合わせ技バディムービー。続篇となる本作では、コメディリリーフとしての様相が目立つ超長身俳優イ・グァンスが加わって、コメディ映画としてのルックはさらに強化。肝心の事件は養護施設にまつわる犯罪で今日性も高いが、一方のコメディパートはコテコテ風味で、ギャグレベルの敷居はびっくりするほど低い。そのバランスの歪さゆえもはやこれが探偵ものである必要があるのかどうかという根本的な疑問に至る。ドリフターズや新喜劇のノリを楽しめるかどうかが鍵。
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