ジョン・ウィック:パラベラムの映画専門家レビュー一覧

ジョン・ウィック:パラベラム

キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮するアクション・シリーズ第3弾。掟を破った殺し屋ジョン・ウィックは、組織から追われる身に。膨大な刺客に襲われ、満身創痍になったジョンは、かつて“血の誓印”を交わしたソフィアに協力を求めモロッコに飛ぶが……。ウィンストン役のイアン・マクシェーン、シャロン役のランス・レディックらが続投するほか、「チョコレート」のハル・ベリーが出演。監督は、シリーズ全作を手掛けるチャド・スタエルスキ。
  • アメリカ文学者、映画評論

    畑中佳樹

    2時間11分という上映時間には、時代の先端を行く今いちばん面白い映画という自負がにじんでいるが、私は1時間50分にはできると思う。正確無比なゲーム感覚で無数のエキストラ兵の頭をぶち抜いていく中盤に少々げんなりしたが、ラストはやはり弾が尽きて肉体と刃物が砕け散るガラスと共にぶつかり合い、まぎれもない映画の顔つきになってゆく。大団円の取引が行われる部屋が朝になるとビルの屋上になっている空間マジックが素晴らしい。総じて悪役に迫力がない。

  • ライター

    石村加奈

    愛犬家だけに、大事な相棒犬をコンチネンタルホテルに預けて、ジョン・ウィックはニューヨークの街を颯爽と馬で駆け抜ける。ニューヨーク公共図書館の利用方法も素敵だ。猫やラクダも登場するが、何と言っても、カサブランカでジョンの助太刀をさせられることになるソフィア(ハリー・べリー)のドッグ・フーは見事。ハリーの背中を使ってジャンプするなど、撮影方法が知りたい。「私の犬を撃った」という理由なら、ボスを撃つことも躊躇しないシンプルな女性を、ハリーが?剌と好演する。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    1作目を観た時、世界観が鈴木清順監督「殺しの烙印」にインスパイアされていてニヤリとしたが、シリーズが回を追うごとにそれが色濃くなっている。キアヌ本人の仕事に対するストイックでプロフェッショナルな姿勢がジョン・ウィックと同化しすぎているのも本作の魅力だ。アクション映画ファンにはおなじみのマーク・ダカスコスやヤヤン・ルヒアン率いる「ザ・レイド」組らがジョンに憧れる敵役として出演、それはまんまキアヌへのリスペクトとして捉えられグッとくる。

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