ハッピー・デス・デイの映画専門家レビュー一覧

ハッピー・デス・デイ

「ゲット・アウト」「ハロウィン」のジェイソン・ブラムが製作を務めたタイムループホラー。女子大生ツリーは誕生日の朝、男子学生のベッドで目を覚ます。その日が終わる頃、彼女は何者かに惨殺されてしまうが、再び誕生日の朝、同じ部屋で目を覚ますのであった。出演は「ラ・ラ・ランド」のジェシカ・ロース、「ブリングリング」のイズラエル・ブルサード。監督は「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」のクリストファー・ランドン。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    ループの開始前から、つまり面白いところが始まる前から、男子学生の部屋を飛び出したヒロインがキャンパスを歩く姿を観るだけで、きらきらと躍動する画面に、これは絶対楽しい映画になるぞという予感でわくわくする。実際、驚かせたりはらはらさせたり、笑わせたり泣かせたりのギアチェンジにほとんどよどみがなく、画面が的確にヒロインの心理を伝えているのも、最低のビッチだった彼女が生まれ変わっていく過程も最高に素敵だ。ジェシカ・ロースがさまざまな面を見せてとてもいい。

  • 映画監督

    内藤誠

    ヒロインの女子大生を演じるジェシカ・ロースが可愛さのなかに、バカっぽい表情をしのばせて熱演。彼女をとりまく校内の人間関係もリアルで、青春映画らしく笑わせる。ジェシカは酒に酔って男子学生イズラエル・ブルサードの部屋に泊まり、繰り返し悪夢を見るというタイムループものになっていくのだが、この実験的ともいえる手法が娯楽映画としてはよく考えられていて面白い。それには連続殺人鬼がかぶっているベビー・フェイスのマスクの無気味でおかしいデザインの力もある。

  • ライター

    平田裕介

    スラッシャー映画で真っ先に殺される存在である金髪ヤリマンをヒロインに据えた時点ですでに面白い。泣き喚くのは最初だけで、どうせ繰り返すのだからといろいろな殺され方や死に方、人前での放屁などを楽しむ彼女のキャラクターにも惹かれてしまう。また、ビッチ化する原因となったアレコレと向き合って成長する、“殺されるけど生まれ変わる”物語になっているのも上手い。ループしてれば死なないという弱点を回避すべくリミットを設けているが、いまいち機能していないのは残念。

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