ガーンジー島の読書会の秘密の映画専門家レビュー一覧
ガーンジー島の読書会の秘密
マイク・ニューウェルがメアリー・アン・シェイファーの同名小説を映画化した心温まるミステリー。1946年、終戦直後のロンドン。作家ジュリエットは、エリザベスという女性が創設した“ガーンジー島の読書会”に関する記事を書こうと、島を訪れるが……。出演は「シンデレラ」のリリー・ジェームズ、『ゲーム・オブ・スローンズ』のミキール・ハースマン。
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映画評論家
小野寺系
ナチスドイツの占領下となった英国の島を舞台に、読書に自由を見出した島民の姿が描かれるという物語だけで、かなり感情移入してしまう。それだけに戦争の悲劇や人権蹂躙が映し出されていく深刻な内容と、あわせて描かれるメロドラマの部分がうまく?み合っていないように感じられた。「二十四の瞳」で、主人公が二人の男性の間で揺れる…みたいな要素が中心にあったとしたら、やはり散漫な内容になってしまうのではないだろうか。キャスティングや美術、撮影はリッチで見やすい。
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映画評論家
きさらぎ尚
英国のTVシリーズ『ダウントン・アビー』のキャストが出演しているのは嬉しい。さらにナチス占領下で住民たちが密かに行っていた読書会という、主題に惹かれる。情報から食糧まで、厳しい占領政策によって過酷な生活を強いられても、読書が人の生きる力となる。つまり自由への理不尽な抑圧に対する最強の抵抗を、人の文化を大切にする意志としているのが、本好きの身には心強い。予想通りの結末だが、そこに至るまでにつづられる歴史の出来事には人と人との支え合いがたっぷり。
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映画監督、脚本家
城定秀夫
リリー・ジェームズがとにかく綺麗で可愛くて、それだけでも相当の満足度が得られる。彼女を愛でる映画であろうからか、かなり衣裳替えが多く、インナーはともかくアウターまで着回しがないのはトランク一つで田舎の島に来たという設定からしてちょっぴりおかしな気がしないではないけど。クラシック恋愛映画が苦手な僕には合わないだろうなあと思って観始めたけど、最後には普通に感動している自分に驚いた。それにしても、お金持ちのあの男は何も悪くないのにかわいそうだなあ。
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