シンクロ・ダンディーズの映画専門家レビュー一覧
シンクロ・ダンディーズ
スウェーデンの男子シンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミング)チームをモデルに、舞台をイギリスに移し映画化した人間ドラマ。人生に張り合いを感じられない会計士エリックは、公営プールで中年男性ばかりが集まるシンクロチームと出会う。「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」のオリヴァー・パーカー監督が、ミッドライフ・クライシス=中年の危機に直面した男性たち8人が同じ目標に向かい努力を重ね再び人生を輝かせていく姿を描く。出演は「イタリアは呼んでいる」のロブ・ブライドン、ドラマ『ダウントン・アビー』のジム・カーター、ドラマ『SHERLOCK』シリーズのルパート・グレイヴスほか。
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映画評論家
小野寺系
実在のシンクロチームの成功譚に合わせて設定を作り込み、シンプルな娯楽作に手堅くまとめあげていて、それなりに楽しめる一作。モデルにしたスウェーデンへのリスペクトが払われているなど、全体的にそつなく気をつかっているが、それ以上の何かがあるわけではなく、いまいち印象の薄い作品にとどまっている。同じ出来事を本作と近い時期にフランスで映画化した「シンク・オア・スイム」は対照的に、情緒的で実験的だが不器用な部分もあり、一長一短で仲良く引き分けかなという感じ。
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映画評論家
きさらぎ尚
同じシチュエイションの「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」と見比べてしまう。ミッド・クライシスのど真ん中にいる設定の、チームのメンバー8人のうち、会計士の抱えている問題は具体的に描かれているが、他はさらっとしか触れられない分、ドラマとしての弱さも。であっても、世界選手権の成績はお約束の結果として、やっぱり……なのだが、練習風景はカメラが水中での(下手な)動きを捉えているので、頑張ってる感が大。愛嬌たっぷりのグランド・フィナーレ○。
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映画監督、脚本家
城定秀夫
出てくるのはシワシワのおっさんばっかだし、主人公も割と本当に情けなくて、そりゃ嫁にも嫌われるわって感じで、「ウォーターボーイズ」のような華はないのだけれど、そのショボくれ感が堪らなくいい。シンクロシーンが見所かと言われればそうでもなく、パフォーマンス自体はかなり微妙なのだが、その生々しい完成度におっさん達のリアルな頑張りを感じる事ができるし、8人のキャラ分けも程良い塩梅で、熟年男性ならではのペーソス特盛りな人生賛歌に、気が付けば涙を流していた。
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