カーライル ニューヨークが恋したホテルの映画専門家レビュー一覧
カーライル ニューヨークが恋したホテル
数々のセレブたちから愛されてきたニューヨークの五つ星ホテル“ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル”の魅力に迫るドキュメンタリー。ジョージ・クルーニー、ソフィア・コッポラなど、総勢38名のセレブが“秘密の宮殿”カーライルの魅力を語る。監督は「ティファニー ニューヨーク五番街の秘密」など、ニューヨークの老舗を対象にドキュメンタリーを手掛けるマシュー・ミーレー。
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ライター
石村加奈
秘密厳守で世界中のセレブに信頼される、五つ星ホテルの内部に入れた興奮からなのか、スノッブな構成が「ザ・カーライル?ア?ローズウッド?ホテル」のひかえめさにそぐわない。脈略なく登場しては、ホテルの魅力をうきうきと語る金持ちも、バーにエレベーターホールにとはしゃぐカメラワークも、観客をおいてけぼりにするばかり。クリスマスツリーのイルミネーションの反射で際立つロビーの美しさ。それだけで掃除の行き届いた快適なホテルであるとわかるのに。何だかトゥーマッチ。
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映像演出、映画評論
荻野洋一
M・ジャクソンとS・ジョブズとダイアナ王妃が同じエレベータに乗り合わせ、挨拶し合ったというエピソードを聞けば、誰だってそわそわする。ケネディ大統領が最上階を所有し、M・モンローがそこに通うための特別な秘密通路はあったはずだが、今でも詳細は分からないなどと語るホテルスタッフの証言には、心なしか在りし日の香しさが残る。伝説に彩られた名物ホテルが穏やかな微笑のもと、現在の変化と闘っていることが分かってくる。ここに闘いを看て取ることが最も重要だ。
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脚本家
北里宇一郎
すこぶる豪華な動くカタログ映画。登場する顔ぶれも有名スターやセレブばかり。従業員のコメントも笑顔にあふれ、悪いところは微塵も出さぬ。伝統と高級とシックな装いのこのホテルに、作り手が恋し憧れ、その中に潜り込んで嬉しくてたまらぬ。そんな風情。特にバーにおけるW・アレンをはじめとする数々のライヴシーンは楽しめる。超高値の宿泊費にチクリ針を刺す男優の発言にニヤリ。にしても、陰の部分が微塵も描かれぬのが。こういうのを観ると、F・ワイズマンの凄みを再認識して。
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