甘いお酒でうがいの映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
北川れい子
お笑い芸人シソンヌじろうの元ネタも、その元ネタのヒロイン名で書かれたという原作も全く知らないので、アラフォー、独身OLの日常、ふつうに情報ゼロで観た。それなりの給料を貰い、誰にも拘束されない自由気ままな都会暮し。毎日、日記を書いていて、別にどうということもないその日記の内容が再現されたりも。エピソードふうに、バーで隣り合わせた男とホテルへなんて場面もあるが、年下男に慕われての発展的関係といい、フワフワ生きても自立は自立? どうぞご勝手に。
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編集者、ライター
佐野亨
宣伝につかわれているモノローグ、「白黒がちだった日常に色がつく」。どうにも類型的な表現だ。「東京バタフライ」もそうなのだが、「変わる」ということについて、いま一歩ステレオタイプな思い込みの域を出ていない気がする。さりげないところはもっとさりげなく、劇的なところはもっと劇的に変わるのではないか。松雪泰子も黒木華もさすがに巧く、観ているうちに愛すべき人物に思えてはくるが、なにかそのように「設定」されている感触が最後まで拭えなかった。
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詩人、映画監督
福間健二
佳子さんと若林ちゃん。松雪泰子と黒木華だが、ふと無名の女優二人が一生懸命やっているように見えるときがあって、いいなと思った。演技、少しでも意外性が出ると楽しいのだ。大九監督の側にプロ的な処理を打ち破る意識があれば、というのはねだりすぎか。シソンヌじろうによる佳子の日記モノローグ。鮮度ある詩をはらむが、それを乗せる画に遊び方が不足。そして清水尋也演じる岡本くんとの恋での、佳子のかわいそうになるほどの心理の動き。フェミニズム的に大丈夫なのだろうか。
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