フッド:ザ・ビギニングの映画専門家レビュー一覧

フッド:ザ・ビギニング

「ロケットマン」のタロン・エガートン主演で贈る英雄ロビン・フッド誕生秘話。十字軍遠征に加わった若き領主ロビン・ロクスリー。だが、4年後に帰国すると全財産が奪われていた。どん底に落ちたロビンは、戦士ジョンと共に、腐敗した政府に反逆を開始する。共演は「ジャンゴ 繋がれざる者」のジェイミー・フォックス、「レディ・プレイヤー1」のベン・メンデルソーン。レオナルド・ディカプリオがプロデューサーに名を連ねている。
  • 非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト

    ヴィヴィアン佐藤

    私は好きな作品ではないが、このような痛快エンターテインメント時代活劇はあっても良いと思うし、完成度も高い作品。タロン・エガートンの演技や監督の手腕も素晴らしい。批評でその作品が生まれる背景や現象として作品を捉えることは可能ではないのか。同時代性や集団的な無意識をそこから読み取る姿勢だ。この作品からは製作者側の同時代性や製作の必然性がまったく伝わってこなかった。特殊なレンズを駆使しハイリゾ撮影をこの作品で実現する意義とは?

  • フリーライター

    藤木TDC

    中世英国が舞台でファスナーついてそうなデザインスーツや「マッドマックス」めいた改造兵器が登場。荒唐無稽だが活劇として優れた見せ場もあり中高年男性も楽しめる。悪の根本をカソリックに置く設定や、香港やパリの街頭デモを思わせる民衆蜂起の描写にも驚き。権力が十字軍出兵の背後で仰天の陰謀をめぐらすのはトランプ政権への当てこすりか。まぁ主要男性キャラの動因が女の取りあいって部分は情けなくもあり、ふられて暗黒面まで落ちるヤツに至っては、お前小せえよ、と。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    最近下火になってきたヤングアダルト系作品。時代考証をあえて無視して現代風かつ華美に見せる演出は、そういうものなのだと思えば受容できる。ロビンが弓の稽古によって上達していくモンタージュや、街中でのアクションはキレがあって楽しいが、B・メンデルソーンのいけ好かない中間管理職への配役は既視感がありすぎる。主役が義賊の場合、倫理面での解釈は追究しなければいけないテーマだが、本作は善悪を一元的に描くことでその問題から目を背けており、些か子供騙しの印象。

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