ヘルボーイ(2019)の映画専門家レビュー一覧
ヘルボーイ(2019)
ギレルモ・デル・トロが二度映画化した人気アメコミを、原作者マイク・ミニョーラ製作総指揮の下、再映画化。超常現象調査防衛局の最強エージェント、ヘルボーイは、人類に復讐を誓う魔女ニムエに戦いを挑むが、ニムエの魔力により、世界滅亡の危機が訪れる。特殊メイクを駆使して主人公ヘルボーイに扮したのは、Netflix『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で注目のデヴィッド・ハーバー。共演は「記者たち 衝撃と畏怖の真実」のミラ・ジョヴォヴィッチ、「ジョン・ウィック:チャプター2」のイアン・マクシェーン。監督を務めたのは、「ディセント」のニール・マーシャル。
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アメリカ文学者、映画評論
畑中佳樹
男の子を夢中にする映画で、2時間だけ男の子に戻れるならめっぽう面白い。戻れない人はヘヴィメタを子守り歌に気持ちよく眠れ。「美女と野獣」を逆転して、女にもてない醜い怪物のヘルボーイに、あろうことか美しい魔女のミラ・ジョヴォヴィッチが惚れて男根の象徴に発情してしまうが、ヘルボーイはさっさと無視して父親の元へ走っていくという、アメリカ映画に底流するミソジニー(女性嫌悪)の興味深いサンプルとして見れる。一人だけ健全な女子のサッシャ・レインがいい。
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ライター
石村加奈
地獄生まれ地球育ちの悪魔ヘルボーイのさわやかさとは何か? とふしぎに思いながら観ていると、ジャガーに変身する(!)ベン・ダイミョウ少佐の闘い方に、相手の目をしっかり見て闘う彼らには、姑息さがないのだと思い至った。それはヘルボーイ率いる超常現象調査防衛局だけでなく、対する最強の魔女ニムエ率いるモンスター軍然り。バーバ・ヤーガは少し怖いが、愉快犯に比べれば、さすがアメコミ! 子供のトラウマも心配ご無用。ミラ・ジョヴォヴィッチの魔女並みの美貌も堪能。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
デル・トロ&パールマン版が2作とも傑作だったのでそのイメージを覆すのは至難の業だ。アーサー王とエクスカリバー、バラバラにされた魔女の身体を集めて復活させる、など古典的展開は既視感があり、原作のエピソードを色々詰め込みすぎて尺を調整するためか会話説明と細かい回想が多く、どうしても物語への集中力が続かない。とはいえ、クリーチャーの造形は精良で、グロテスク度は抜群。立体的なアクションシーンは世界観を反映しているし、ヴィジュアル的にはかなり満足。
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