男と女 人生最良の日々の映画専門家レビュー一覧

男と女 人生最良の日々

カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いた「男と女」のオリジナルキャスト&スタッフが三度集結したシリーズ第3弾。今や記憶を失いかけたジャン・ルイは、混濁する意識の中、かつて愛した女性アンヌを追い求め、別々の道を歩んでいた2人はついに再会する。前2作と同じく、ジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメが主演を務める。監督も同じくクロード・ルルーシュ。
  • ライター

    石村加奈

    半世紀以上前の名シーンを巧みに織り交ぜつつ、紡ぎ直される「男と女」の物語。記憶を失いかけたジャン=ルイと再会したアンナとの“美しい旅”の、夢か、現実なのか、判然としない危うさがマッチしている。旅の途中で2人を窘める警官の、車の運転スピードは速すぎても遅すぎても危険とは言い得て妙で、若輩者の筆者は、老いらくの愛のスピードに酔った。夕日を見にドライブに出かけるいまの2人に、時の流れを感じた。見逃すには惜しい最後の最後まで“美しい旅”を見届けてほしい。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    エーメとトランティニャンが並び、おなじみのダバダバダ~がかかれば、53年経とうが、それはもう「男と女」。本作は、20年後を描いた「Ⅱ」をなかったことにした続篇で、記憶と現実の狭間、その甘美な愛の幻に取り憑かれた男の見た夢。そして、80歳を超えたルルーシュの原点回帰だ。劇中、夜明けのパリをフェラーリで爆走するだけの短篇デビュー作「ランデヴー」の一部が使用されているのだが、このハードなドライバー目線映像の使い方にルルーシュの様々な想いが溢れていてグッときた。

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