ホドロフスキーのサイコマジックの映画専門家レビュー一覧
ホドロフスキーのサイコマジック
「エンドレス・ポエトリー」のアレハンドロ・ホドロフスキーが、自ら考案した心理療法“サイコマジック”に迫るドキュメンタリー。実際に悩み相談に訪れた人々を通して、実践の様子や作用を紹介。また、監督の映像表現とサイコマジックとの関係性を解き明かす。出演は、アレハンドロ・ホドロフスキー、ミュージシャンのアルチュール・アッシュほか。公開日は2020/4/24→5/22より再延期。
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非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト
ヴィヴィアン佐藤
2013年に「リアリティのダンス」が公開されたとき、日本でホドロフスキー作品上映に24年のブランクがあった。「これを見るために20年間生きてきた」と思った。芸術家は作品を発表していないときも不可視の作品制作をしている。芸術家の人生とは巨大な芋虫のようなもので、様々な条件で作品が世に出るとき、その芋虫の断面が可視化される。そして血流が過去作品へ通う。ホドロフスキーほどこの定義が当てはまる人物はいない。サイコマジックはその不可視の時期に完成。必見。
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フリーライター
藤木TDC
終盤、大人数を本気にさせててビックリなホド爺のオレ流演劇セラピー。10件の治療を記録し、経血で自画像を描くとかキンタマ握って男性性回復とか、パフォーマンスとして面白い(かつ下品な)部分もあるが、純粋に疑似科学だし効果の現れた場面の抜粋だし、入場料払って映画館で見よと薦めるほどでは。DVD特典かサブスク配信なら少しは有意義に感じるかも。とくに自宅で全裸になって観賞したら効きそう。まぁホドロフスキーなら何やっても許されるってことなのだろう。
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映画評論家
真魚八重子
ホドロフスキーの一貫した世界観の中で、オムニバス的に撮られた簡易なドキュメンタリー。そこには過去の作品を彷彿とさせるアートな悪趣味さ、大仰さ、ドラマティックさが溢れる。サイコマジックを担うのは、昔からホドロフスキー作品に連綿と出演してきた名の知れない人々が持っていたであろう、思いがけない形で自分をさらけ出したいという変身願望だ。ホドロフスキーという名が持つ護符的要素が活用された、被験者と導き手が共犯であるショック療法。ただ、ちょっと乱発気味。
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