ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密の映画専門家レビュー一覧

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のライアン・ジョンソンのもと豪華キャストが集結したミステリー。富豪作家のハーランが誕生会の翌日、遺体となって発見された。屋敷にいた全員に容疑がかかる中、匿名の人物から依頼を受けた名探偵ブノワは真相を探る。謎に迫る探偵ブノワ・ブランを「007」シリーズのダニエル・クレイグが、一族の問題児ランサム・ドライズデールを「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリス・エヴァンスが演じるなど、オールスターキャストで事件の謎を描いていく。第77回ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門作品賞・主演男優賞(ダニエル・クレイグ)・主演女優賞(アナ・デ・アルマス)ノミネート。
  • 非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト

    ヴィヴィアン佐藤

    確かにロッテントマトは高得点だろう。素晴らしい脚本、監督、演技、演出。何も言うことはない。死人に口無し文豪ハーラン・スロンビー。「まるでパパの書いた物語の中にいるみたい」。そうなのだ。これはハーランの書いた小説そのものが、家族に降りかかり、駒のごとく動かされる。劇中メタ小説は私たちには読書不可能だ。それは劇中の世界を完全に予言し支配する。ということは、スロンビー家の人々の人生そのものがハーランの壮大な遺作なのだ。まあ満足する作品でしょう。

  • フリーライター

    藤木TDC

    オリジナル脚本ながら本格探偵映画のクラシカルなムードに現代的小道具と笑いをブレンドし、このジャンルのファンは満足ゆく内容だろう。舞台となる郊外の豪邸の造作がとても良い。ただ老作家の不審死でおごそかに始まる謎解きが途中から倒叙に変わるのは観客を当惑させるし、後半の遺言状のくだりも分かりきってるからもっと前段でいいのでは?など構成に異存。D・クレイグだってもっとエキセントリックに造形できたはず。変な訛りがある設定だけじゃ名探偵的魅力に乏しい。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    まるで70年代にオールスターキャストで撮られた、クリスティー原作映画のような賑やかで華々しい作品。編集の軽妙さや構成の捻りはイマドキ風だが、D・クレイグ演じる古式ゆかしい探偵像は、前に出すぎず渋くて良い。何よりこれがオリジナル脚本というのが驚き。多少、謎解きで音のタイミングの間違いや、上手く回収されない挿話もあるものの、原作なしでここまで雰囲気のあるミステリーが撮れるのは立派。小道具やセリフが意味を持って回収される数の多さも鮮やかで見事だ。

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