ディヴァイン・フューリー 使者の映画専門家レビュー一覧

ディヴァイン・フューリー 使者

「ミッドナイト・ランナー」の監督キム・ジュファンと主演パク・ソジュンが再びタッグを組んだオカルト・アクション。身に覚えのない右手の傷について調べるうちにエクソシストのアン神父と出会った格闘家ヨンフは、自身に正義の力が隠されていることを知る。悪と戦う力に目覚める総合格闘技世界チャンピオン・ヨンフをパク・ソジュンが、ベテラン神父アンを韓国の国民的俳優と言われるアン・ソンギが演じる。2020年7月公開より延期。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    日本でも大人気の『梨泰院クラス』でお馴染み、あと、あの「パラサイト」にもチラッと顔を出していたパク・ソジュンの主演アクション作。格闘技の世界チャンピオンがヴァチカンの神父と悪魔祓いに奔走するというかなり荒唐無稽なプロットだが、興味深いのは10~20代がメインターゲットのこのような作品においても、韓国社会に根付いているキリスト教の価値観が前提にあること。しかし、ご都合主義で奥行きのない設定と展開には、監督自身によるオリジナル脚本の弱さが露呈している。

  • ライター

    石村加奈

    神の死者と闇の司教の対決を盛り上げる、美術や特殊メイク、CGなどの技巧より、むき出しのアン・ソンギの存在感が光る。アン・ソンギ扮するアン神父と出会い、父の死後、神への憎しみを、強さの糧に生きてきた主人公ヨンフ(パク・ソジュン)の変化を、シンプルに描いたシーンが印象的だ。目の前を去りゆくアン神父と最後に見た父の後ろ姿が重なり、ヨンフは自然と神父の相棒となる。理屈は要らないのだ。アン・ソンギの魅力がパク・ソジュン、ウ・ドファンら若い俳優を輝かせる。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    子供の頃、神への信仰を失った男が、何かに導かれ悪魔祓いの能力を授かるも、神は信用できない、とうだうだして、それが最後の最後まで続く。神の存在と真に対峙するにはそれくらい時間がかかる、ということだと思うが、あまりにも長い。続篇を匂わせる終わり方だったが、そもそも“ビギニング映画”は説明が先行して、それが物語を縛ってしまいがちだ。ライミ版「スパイダーマン」、「ダークナイト」や「キャプテン・アメリカ」も2作目が傑作だった。ということで続篇に期待。

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