チア・アップ!の映画専門家レビュー一覧

チア・アップ!

オスカー女優、ダイアン・キートンが平均年齢72歳のチアリーディング・クラブを結成する老人に扮したドラマ。余生をゆっくりと過ごそうとシニアタウンに引っ越してきたマーサは、隣人のシェリルに焚きつけられ、夢だったチアリーディングに挑戦することに。出演は、「世界にひとつのプレイブック」のジャッキー・ウィーヴァー、「ジャッキー・ブラウン」のパム・グリア、「デッドマン・ウォーキング」のセリア・ウェストン、「素敵な人生のはじめ方」のリー・パールマン。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    リタイアメントコミュニティで暮らすお婆さんたちが、チアリーディングチームを組んで大会に挑む。これがヨーロッパのハートウォーミングコメディならば「はいはい、またこういうやつね」なのだが、何しろそのお婆さんたちはダイアン・キートンやパム・グリアやジャッキー・ウィーヴァーなのだ。アメリカ映画の特権は、そんな作品の外部に広がる記憶やコンテクストの豊かさだ。冒頭のキャロル・キングからクライマックスのシャーリー・エリスまで、選曲もいちいち気が利いている。

  • ライター

    石村加奈

    ダイアン・キートン、ジャッキー・ウィーヴァー、パム・グリアらが、平均年齢72歳のチアリーディング・チームを結成、コンテスト出場を目指す! これだけでも、元気の湧く映画だ。思うように体が動かない分、人生経験に裏打ちされた知恵を駆使して、老若男女から拍手喝采を受けるパフォーマンスを披露するに至る、見事な人生讃歌。自分の人生を受け容れて、自分を応援する彼女たちのチアは、すがすがしい。パム扮するオリーブの、相変わらずセクシーな役どころにも、ときめく。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    老女たちがチアリーディング・チームを結成、奮闘する。ベタな設定と展開だが、主人公である独り身の老女をダイアン・キートンが演じるだけで「孤独な高齢者」ではなく「都会で好きに生きてきた女性と捉えられ、物語に活気と品性が生まれる(冒頭、NYの自宅前で自分の“遺品”セールを行う彼女の姿はアニー・ホールのその後を想像させる)。キートンは年を重ねても彼女自身のライフスタイルが役にさらりと反映され魅力を放つ稀な女優という事を再認識。

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