グッド・ボーイズ(2020)の映画専門家レビュー一覧
グッド・ボーイズ(2020)
「ワンダー 君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイが主演した青春コメディ。女の子たちから“初キス・パーティー”に誘われた小学生3人組。キスの仕方を知らない彼らはリサーチを開始するが、大人の世界に対する好奇心が止まらなくなり、騒動が巻き起こる。「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」に続き、セス・ローゲン&エヴァン・ゴールドバーグのコンビが製作を務める。
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
劇中でもネタにされている『ストレンジャー・シングス』のシーズン1よりも1つ下、12歳男子3人による下ネタ全開のコメディ。ポルノ動画やドラッグへのアクセスのハードルが低い現代アメリカは『ちびっこギャング』の時代とはもちろん違うものの、ジェンダー描写に関しては笑いをスポイルすることなく細やかな配慮がされていて、そのあたりの綱渡りはさすがセス・ローゲンのプロデュース作。この種の作品で、同時代ポップカルチャーへのレファレンスが少ないのは欠点。
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ライター
石村加奈
ちょっと冴えない小学6年男子3人組という設定から既にツボ。好きな女の子なら、くしゃみもかわいいとか、ひとつひとつのウブな反応がたまらない。咄嗟に思いついた最凶の呪いの言葉が「家族をゾンビにするぞ!」とは、キュートの極みである。そんな3人が、和気藹々とした日常から、どんなに仲良しでも、ずっと一緒にはいらないことを肌身で知り「人にはそれぞれの道がある」とオトナの階段を駆け上がっていく、大冒険的展開にもグッと来た。タイトルに偽りなしのGOODな映画だ。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
全篇過激な下ネタ満載だが、主人公3人はギリギリ純粋な12歳。それが下品になりすぎず、なおかつ笑いの相乗効果を生み出している。監督・脚本は「バッド・ティーチャー」で新しい視点のコメディを生み出したコンビ。舞台は現代だが、テイストは80年代の思春期友情もので、そのジャンルで育った彼らのアンサー的作品と言っても良い。小さな冒険の中で友情を確認し合い、成長し、それぞれの道へと歩み出す、というパターンを踏襲しながら最後まで笑いの手を抜かないのが最高。
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