きっと、またあえるの映画専門家レビュー一覧

きっと、またあえる

「ダンガル きっと、つよくなる」のニテーシュ・ティワーリーが手掛けた笑いと涙の物語。受験生が病院に担ぎ込まれたことをきっかけに集まった親世代の旧友7人。彼らは受験に失敗した友人の息子を励ますため、“負け犬”と呼ばれた大学時代の奮闘を語る。出演は、「PK ピーケイ」のスシャント・シン・ラージプート、「サーホー」のシュラッダー・カプール。
  • ライター

    石村加奈

    あえて(?)芝居ではなく脚本や編集で日めくりカレンダーのように時間経過を見せる手法は最近(特に日本の作品)の流行りだろうか、あっさりしすぎて物足りない。本作のオープニングに、すわインド映画もか!? と落胆するも杞憂に終わった。エンディング・ソングの見事な転調の如く、緩急の効いたダイナミックな展開に、143分間はらはらドキドキしっぱなし。中でも、バスケットボール大会決勝戦の、ラスト6秒には大興奮した。大学生と中年を演じきった俳優陣の巧さにも感動。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    お気楽な学園コメディと思いきや、いきなりシリアスで衝撃的な展開。そこから現代と92年の名門工科大学寮での青春の日々が交錯して進む。寮内に格差があり、主人公たち「負け犬」組は寮対抗多種目試合に挑むのだが、これがサッカー、バスケの他にチェスやキャロムもあるというのが面白い(監督の実体験がベースらしい)。しかし合格者1%のこの大学に入れること自体すでに超エリート。その違和感が現代パートに活かされ、ヒエラルキーの構造を浮き彫りにしている。

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