STAND STRONGの映画専門家レビュー一覧
STAND STRONG
スケートボーダーたちの姿を描く青春群像劇。K、RYO、CHEN、DAISAKUはスケートチーム・CRASHERを結成。彼らの活動はSNSを通じて広まっていくが、KとRYOが憧れのスケートブランドから勧誘されると、4人の歯車は脆く崩れ始める。監督・脚本は、CMやミュージックビデオなどの演出を手掛ける菊池久志。原作・プロデュースは、プロスケートボーダーの岡田晋。出演は、スケートシーンをはじめ様々なシーンで活動しているスケートボーダーの中田海斗、佐川涼、松本崇、日高大作レイ。
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映画評論家
川口敦子
スケートボードで結ばれた4人組、とりわけその技を光らせるふたりをめぐる友情の行方、親との葛藤、青春の光と影――と、かいつまんでしまえばいかにも手垢に塗れた青春映画のパターン、百万遍繰り返された物語に違いない。それを違わせるのがスケートボードそのものの映像的な力というわけで、切り取られるテクニック、競われるその精度、それそのものをみつめる“実写映画精神”、演技はいらない――といった清水宏的アプローチがもう少し徹底されてもよかったかもしれない。
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編集者、ライター
佐野亨
〈スケートボード文化圏〉とでも呼ぶべき若者たちのモラトリアムを、それを成立せしめる内部要素だけで描き切ろうとする映画で、これを自己完結的ととるか、表現衝動の素直な発露ととるかで評価が分かれそうだが、ボードを手入れするタイトルバックから、SNSを通じた拡散の光景、つけめんへの執着、そしてこのカルチュアが都市の現在と有機的にかかわっていること等が示され、ブルース&デイナ・ブラウンのサーフィン映画を思わせる「生き方」映画として侮り難いと感じた。
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詩人、映画監督
福間健二
待望のスケボー映画登場と拍手したいが、滑りの醍醐味も、滑る若い肢体の魅力も、たっぷり見せたとは言いがたい。成長過程にある四人の若者。ちょっと幼稚すぎないかって感じのキャラクター分けで、それなりに楽しく見せていくが、ひとりだけ家庭が描かれる。父親に殴られている。そしてダメなやつになっていく。父親の罵詈がラップ的だったり、ただのそういうドラマじゃない見せ方もするが中途半端。人のよさを感じさせる菊池監督、もっとカッコよく撮るべきものがあったはず。
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