ザ・スイッチの映画専門家レビュー一覧
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
クリストファー・ランドンの根っこにあるのは脚本デビュー作となったラリー・クラーク「アナザー・デイ・イン・パラダイス」なのか、ハリウッドで足場を築くきっかけとなった「パラノーマル・アクティビティ」シリーズなのか。ブレイク作として文句なしの快作「ハッピー・デス・デイ」を経て、蛇足気味の続篇、そして題材だけ変えて構造ほぼそのままの本作に到ったことで、おそらく後者なのだと知る。コスり倒せるだけコスり倒すのがホラー作家の美学なのは心得ているが。
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ライター
石村加奈
ヴィンス・ヴォーンのラブリーな好演で、中年男と女子高生ミリーの入れ替わりが大成功! コメディ度が高まり、楽しい仕上がりに。ヴォーンに比べると、キャスリン・ニュートンの度量不足はやむなしだが、ニュートンの若さをいかしたヘアメイク&衣裳でうまくカバーしている。ミリーの大切な人たちが死なない展開も好み。特にナイラ、ジョジュとの友情はもう少し掘り下げたドラマが見たいくらい魅力的な関係性だった。〈ケ・セラ・セラ〉から〈Suck My Cherry〉まで、音楽もたのしい。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
「殺人鬼もの」と「ボディスイッチ」という特に目新しくない題材を掛け合わせて(「ズーム」もそうだ)斬新なホラーを作り出そうという「ハッピー・デス・デイ」の監督らしい意欲作。殺人描写はかなりグロいが、基本的に主人公の女子高生ミリーを虐めていた嫌な奴しか死なないし、殺人鬼の見た目はミリーなので、残酷であればあるほどスッキリもする、というのはまさに新感覚。ヴィンス・ヴォーンの女子高生っぷりは予想以上にハマっていて、まさかのキスシーンは悶絶しながら爆笑。
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