プロジェクトVの映画専門家レビュー一覧
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
ジャッキー・チェンが推進し、多くのアクション・スターに引き継がれてきた「主演俳優による命がけのスタント」の意義とその前時代性について、本作を観ながら改めて考えさせられてしまった。というのも、ロンドン、ドバイ、そしてアフリカへと目まぐるしく舞台が移行していくのだが、その背景にCGを使用しすぎていて、もはやどのシーンが実景なのかの判別がほとんどつかないのだ。正直、スタントの使用よりも、背景CGの濫用の方がはるかに作品の興を削ぐと思うのだが。
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ライター
石村加奈
エンドロールのおしまいまで、ジャッキー・チェン劇場を堪能。中国語映画を世界に知らしめた、スタンリー・トン監督とのコンビも30周年と聞けば、「気概を胸に~」の歌詞にもグッとくるというものだ。ロンドン、アフリカ、中東、ドバイと世界中を駆け巡りながら、撮影時65歳のジャッキーが披露する、レジェンド級アクションも健在。特にアフリカの激流の川での死闘は、迫力満点。ヤン・ヤン、シュ・ルオハンをはじめ、若手俳優育成に努めるアニキっぷりは、リーダーのトンと重なる。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
80年代のジャッキー黄金期で育ったので、65歳のジャッキーが組織のボスというだけで感慨深い。その設定なので若手中心に物語は進み、彼らがジャッキー往年の唐辛子を使ったギャグアクションなどを披露するが、正直物足りなさは否めない。しかし激流下りの攻防シーンは圧巻。さすがにブルーバックだろうと思っていたが、例のエンドクレジットのメイキングで実際の川で撮影していることがわかり驚愕。スタンリー・トン×ジャッキーの真骨頂、このシーンだけでも観る価値はある。
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