ザ・バッド・ガイズの映画専門家レビュー一覧

ザ・バッド・ガイズ

「悪人伝」のマ・ドンソクが主演した犯罪アクション。護送車が襲撃され多くの凶悪犯罪者が脱走。刑務所に収監中の服役囚たちを集めた極秘プロジェクト・特殊犯罪捜査課が始動し、“伝説の拳”と恐れられるウンチョルらを引き入れ、巨悪に立ち向かっていく。マ・ドンソクは、素手で強敵をなぎ倒すパク・ウンチョルを演じる。他、「ソニはご機嫌ななめ」のキム・サンジュン、「カンナさん大成功です!」のキム・アジュン、ドラマ『キル・イット ~巡り会うふたり~』のチャン・ギヨンらが出演。監督は、「鬼はさまよう」のソン・ヨンホ。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    シレっとオリジナル作品を装って公開されるようだが、実は本作、マ・ドンソクがまだ国際的大スターになる前、2014年のテレビシリーズの映画版。単独作として成立してはいるものの、主人公以外のキャラクターは既知のものとして描かれているので、食い足りなさは残る。撮影と編集の技術水準が高いこともあって随所で入るテレビ的なグラフィカルな処理は気にならないが、豊臣秀吉、日本統治下の人体実験、山口組などの韓国ドメスティックな設定ワードが気になる人は気になるかも。

  • ライター

    石村加奈

    今回マ・ドンソクが扮するのは、収監中の犯罪者、伝説の拳ことパク・ウンチョル。冒頭のミシンとの可憐な格闘シーンから、アクセル全開で魅せる。共に凶悪犯を捕まえる、極秘プロジェクト「特殊犯罪捜査課」メンバーのバランスも良く、アジトとなった廃教会での丁々発止も楽しい。特にアクションの特訓を積んで撮影に臨んだ、チャン・ギヨン演じるコ・ユソンの狂犬ぶりは、マ・ドンソクとはひと味違う迫力が。しかし、韓国での日本人のイメージの原点って豊臣秀吉なのか……。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    登場人物たちの背景や関係を観客があらかじめ知っているかのような描写が続き(なぜか「シン・シティ」を本気でパロディ化したような回想シーンはある)若干違和感を覚えたが、ドラマの映画化ということで納得。見せ場を軸とした構成、シリアスとコメディの切り替えのタイミングなど、全体的にバランスが良くない。お茶目で強すぎる(いつもの)ドンソク兄貴は十分堪能できる。クライマックスの大人数での肉弾戦は熱いが、なぜ悪人が銃を使わないのか最後まで気になってしまった。

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