SEOBOK/ソボクの映画専門家レビュー一覧

SEOBOK/ソボク

「新感染 ファイナル・エクスプレス」のコン・ユ、ドラマ『青春の記録』のパク・ボゴム出演のSFドラマ。余命宣告を受けた元情報局員ギホンは、人類初のクローン・ソボクを護衛することに。任務早々に襲撃を受け、何とか逃げ抜くも二人だけになってしまう。監督は、「建築学概論」のイ・ヨンジュ。
  • 映画評論家

    小野寺系

    兄弟のように男たちが深い繋がりを見せるブラザーフッド要素とSF要素、行き場のない者たちの逃亡劇を上手く組み合わせ、求心力を高めた成功作。大企業と政府が互いを軽蔑し合いながら協力している描写は漫画的だが、現在の社会にリンクするリアリティを感じる。一方で、命の倫理観に迫るテーマの上では、人道に外れた人体実験と、生命の領域にかかわる科学技術を認めるかどうかという、別の問題をまとめてしまったことで説得力を欠いている部分もあり、いささか消化不良ではある。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    ある種の人間の究極の欲望は不老不死、永遠の命かもしれない。望まずしてそれを与えられたクローン、そして対照的に余命宣告を受けた二人の、死という宿命への向き合い方を、分かりやすい脚本と淡々とした演出で描いた点を評価したい。分けても実験体にされてしまった結果の、ソボクの永遠に対する恐怖が胸を刺す。先端科学と生命の関係云々などはさておく。ただ、ソボクには生命の摂理にしたがい自分の人生を生きることが叶わない哀しみがあり、作品の深淵な意味ここにある。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    iPS細胞がうんぬんかんぬんでとにかく不死の体を持つクローン青年と、うんたらかんたらな不治の病で余命いくばくもない男のバディもので、設定は諸々ガバガバなのだが、人間にとって死とは何か、という主題についてはそれなりの哲学が語られており、その部分を深掘りしていけばいいものを、クローン青年が脳波で物体を自在に動かせる超能力を持っているという欲張り要素を付加したばかりに、結局クライマックスは既視感まみれの念力バトルになってしまっているのがもったいない。

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