ナポレオンと私の映画専門家レビュー一覧
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フリーライター
須永貴子
題材となった恋愛ゲームアプリや主題歌を歌うボーカルユニット、出演俳優などを推す人たちに向けたファンムービーとして手堅く成立している。ファン層に届けたいメッセージをセリフで語りすぎているきらいはあるが、その内容に異論なし。クライマックスを盛り上げるために、己の愚行に対する報いを乗り越えてせっかく成長した主人公に、仕事の大失敗を徹夜でフォローしてくれた同僚へのお礼の朝食を放り投げさせた描写が納得いかない。その愚行にも報いがあるべき。
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脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授
山田耕大
運転免許証の更新に行くと、講習でビデオを見せられるが、この映画はそれと見紛うばかりである。また映画が撮れなくて、身過ぎ世過ぎで企業PR映画を撮っていた知人の監督がいたが、それを連想してしまう。教科書を丸暗記した上で試験問題に答えた満点の答案や入学式での無難な来賓挨拶等々、世の中には特に気にかけることもなく、かといって目くじらを立てるほどのこともない事象がいくつもあるが、それが劇場にかかるとしたらどうなるのだ!? お金を取っているんですぞ!
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映画評論家
吉田広明
恋愛ゲームアプリのキャラが現実世界に現れることでヒロインの人生を変える。とは言え現れたキャラとの恋愛関係になるわけではなく、彼がヒロインの現実世界における恋愛の参謀の立場(キャラがナポレオンというのもそこからか)というひねり方で、自分に自信のなかったヒロインの自分探しの話が実はメイン。アプリありきの企画を逆手に取り、アプリのベタに対する批判的距離感を取っているのはいいのだが、ヒロインの自分探しは結局紋切型で、安心なおとぎ話=ベタの枠を出ない。
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