先生、私の隣に座っていただけませんか?の映画専門家レビュー一覧

先生、私の隣に座っていただけませんか?

「いたくても いたくても」「ANIMAを撃て!」の堀江貴大がオリジナル企画とクリエイターの発掘を目的にした「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」で準グランプリを受賞した自らの企画・脚本を映画化。漫画家夫婦が互いの不倫に気づき、漫画で本心を探り合う不倫エンターテインメント映画。現実と漫画の世界、嘘と本音が交差する心理戦が展開。劇中に登場する漫画はアラタアキと、『サターンリターン』(小学館刊)が好評連載中の鳥飼茜が担当。映画ファンのみならず、漫画ファンも楽しめる構成となっている。
  • 脚本家、映画監督

    井上淳一

    これはシナリオではなくストーリーですと新藤兼人に言ったのは溝口健二だが、本作にはお話しかない。不倫する人される人の深淵も描かず、書けない苦悩書ける人への嫉妬にも興味がない。血の通った人間がどこにもいないのだ。小さな話をより小さく。あるのは昨今の不倫絶対許すまじの価値観だけ。自分だって不倫するかもしれないし、書けなくなるかもしれないという低い視点こそ、エンタメには必要なのでは。ハリウッドはそうだけど。主演二人、なぜこの脚本で出ようと思ったのか。

  • 日本経済新聞編集委員

    古賀重樹

    夫と編集者の不倫に気付いた女性漫画家がその経緯を作品に描く。さらに自分の不倫まで描く。その草稿を夫が盗み見て困惑する。筋立ては確かに面白い。どこまで現実なのか、どこから虚構なのか。見ている観客にもわからないし、どんでん返しも待っている。それなのに見ていてどうしてこんなにハラハラ感が薄いのだろう。回想シーンのせいか、説明的なショットのせいか、サスペンスフルな緊張感に欠けるのだ。ニコニコしながら夫に復讐する黒木華は、はまり役。辛口の終幕には納得。

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