シャドウ・イン・クラウドの映画専門家レビュー一覧

シャドウ・イン・クラウド

クロエ・グレース・モレッツ主演のサスペンス・アクション。第2次世界大戦下の1943年。連合国空軍の女性大尉モード・ギャレットは、最高機密をニュージーランドからサモアへ運ぶ密命を受け、爆撃機に乗り込む。だが、彼女は重大な秘密を隠していた……。監督は、中国系ニュージーランド人の新鋭ロザンヌ・リャン。共演は「フィフス・ウェイブ」のニック・ロビンソン。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    クロエ・グレース・モレッツを思いっきり堪能できる。彼女が危機に陥り、なんとかしのいで、グレムリンと戦う。ほぼ彼女の描写だけ。仕掛けは色々あって楽しい。カバンの中身がなんなのか、あんな引っ張るか? だいたいすぐバレるのでは?恋愛要素も取ってつけたみたいだ。なぜこの時代? なぜ戦闘機の中?物語の設定にしかなっていない。彼女が何をしたかったのか。この設定じゃなきゃ描けないことは他になかったのか。荒唐無稽をやるならやるで、もっと切実さが欲しかった。

  • 文筆家/女優

    唾蓮みどり

    一体何だったのか。いろんな要素を詰め込んであるが、全てうまく?み合っていない。とにかくクロエ・グレース・モレッツが叫んでいる印象。これがこの映画のテーマではないのはわかるが、大切なものを守るためなら犠牲は問わない(それこそが戦争が引き起こす異常さだ)という描写を、美談のように葛藤もなく描くことを許容してしまいたくない。女は強いだの、母は強しだの、褒めてるつもりかもしれないが、年々違和感を覚える。最後はもう、グレムリンが気の毒で仕方がなかった。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    見る前に設定を読んでヒッチコックの「救命艇」(44)の再利用かと思いつつ見始めた。終盤で「海外特派員」(40)をかましてくるので、たぶんそんな観客の期待をあてにしつつの悪ノリ映画。とにかく破れかぶれの無茶苦茶であり、指をかんぬき代わりにするのもほんの序の口。極秘任務、開けてはならない鞄、身元の怪しい闖入者……。サスペンスを構成する要素は前半ですべて雲散霧消し、なんでもありの荒唐無稽が次々に繰り広げられる。この振り切れ方、これはこれでいい。

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