貞子 DXの映画専門家レビュー一覧

貞子 DX

見た者が必ず死に至るという“呪いのビデオ”の恐怖を描き、呪いがビデオを介して拡散されるという衝撃的な設定が世界中を震撼させた最恐ホラーの最新作。現代のデジタル社会に適応して「変異」し、SNSで<拡散>される貞子の呪いと、<呪いの方程式>を解明しようとする者たちとの対決を描く。貞子の呪いに立ち向かうIQ200の天才大学院生を演じるのは小芝風花。文華と共に呪いに挑む自称占い師・前田王司役には、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE の川村壱馬、協力者の感電ロイド役には黒羽麻璃央。文華の母親役に西田尚美、妹役に八木優希、人気霊媒師に池内博之、その父親に渡辺裕之ら、実力派俳優が集結。監督は「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」の木村ひさし。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    まるでテレビの戦隊シリーズやライダーシリーズのような演出や台詞回しに面食らったが、クレジットを見ていろいろ納得した。いや、別にそういうホラー映画があってもいいとは思う。しかし、世界的ブランドである「貞子」のフランチャイズでそれをやるのはビジネスと割り切ってもあまりに近視眼的過ぎないか。夢にも海外配給なんて念頭に置いていない、内向きの設定やサムいギャグや主題歌のタイアップなどなど。ここから「貞子」を恐怖の対象として再起動させるのは茨の道だろう。

  • 映画評論家

    北川れい子

    皮肉と自嘲がない交ぜになった高橋悠也の脚本にはつい笑ってしまった。特に人気霊媒師(池内博之)の、すべてはエンタテインメント、需要と供給のビジネスだよ、という台詞。「貞子」シリーズがここまで続いたのも、恐怖が売りのビジネスとしてそれなりの需要があったからに違いなく、それをわきまえた本作、かなりしたたかである。その上で、科学では解明できない奇妙な現象を描いていくのだが、オチがまた爆笑もので、そうか、こうくるか。恐怖よりコメディ寄りの貞子ものだ。

  • 映画文筆系フリーライター。退役映写技師

    千浦僚

    くすぐり満載のギャグ風味? そりゃねえわ絶対よくない。と思ってたら、いや参りました。笑えない、怖くもない、だがドライブ感あって面白い! こういう調子でやりきれるものだという発見。ゾンビ映画界における「ショーン・オブ・ザ・デッド」の新鮮さみたいなものを貞子映画界にもたらした! コメディふうとか現在のガジェットに対応したことより基本のタイムリミットありのオカルトミステリと日本人の死生観をしっかりやったのが効いている。一番面白い場面はエンディング。

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