マッシブ・タレントの映画専門家レビュー一覧

マッシブ・タレント

「リービング・ラスベガス」(95年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、「ザ・ロック」(96年)「フェイス/オフ」(97年)などのアクション大作に出演して栄華を極めたニコラス・ケイジが、浮き沈みの激しい自身のスター人生を逆手に取り、どん底にある俳優ニック・ケイジに扮して贈る、コメディ満載のアクション映画。ニコラス・ケイジは、出演作の興行的失敗からハリウッドからのオファーが途絶えた時代がある。低予算映画に多数出演して借金を完済したとき、本作のオファーが転がり込んだ。そのチャレンジ精神とユーモアに富んだ内容が絶賛され、全世界67カ国で初登場TOP10入りのスマッシュヒットを記録した。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    ニコラス・ケイジは落ち目のスター。奥さんや娘に煙たがられている。仕事もイマイチ。空回りする大仰な芝居。笑っていいのかよくわからない。島に行って男と出会って、スパイの任務を背負ってから急に話が展開する。どうやって誘拐された女の子を助け出すのか。仲良くなった男を裏切らなきゃいけない葛藤。クスリをキメて街に繰り出す二人がアホすぎて微苦笑してしまう。実人生に、映画みたいな冒険が起こったらどうなるのか。ニコラス・ケイジじゃないと成立しない話だ。

  • 文筆家/俳優

    睡蓮みどり

    こちらも映画作りの物語。その裏に隠された誘拐事件と、家族との愛情の話と、ニコラス・ケイジ演じるニックとハビがともに脚本やアイディアを練りながら友情を深めていくさまが掛け算になり、てんこ盛りな本作。映画完成シーンはやりすぎ感もあるが、そのくらいのハイテンションさが本作の魅力なのだろう。何度も繰り返し見たいタイプの映画ではないが、こんなふうに盛り上がることもやはり映画の醍醐味である。個人的にはもう少し映画好き同士の友情に焦点を当ててほしかった。

  • 映画批評家、都立大助教

    須藤健太郎

    ニコラス・ケイジによるニコラス・ケイジ。いや、ニコラス・ファッキン・ケイジ? 何度も笑ったし、最後まで面白く見たけど、くだらないとは思う。それに、あまり喜びすぎると「この映画を楽しむことのできるおれたち」みたいな仲間意識に回収されてしまいそうで警戒してしまう。調べてみると、ポール・ジアマッティの「コールド・ソウルズ」(09)とかジャン?クロード・ヴァン・ダムの「その男ヴァン・ダム」(08)など、類似の企画はいろいろある。なお、ともに未見である。

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