最高の花婿 ファイナルの映画専門家レビュー一覧

最高の花婿 ファイナル

娘4人がそれぞれアラブ人、ユダヤ人、中国人、コートジボワール人と結婚した保守的な夫婦が異文化に直面するコメディシリーズ第3弾。娘たちは父母の結婚40周年を祝おうと、親戚一同が集結するサプライズパーティーを計画。強烈な婿たちの両親が集まり……。フィリップ・ドゥ・ショーヴロン監督やクリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビーら俳優陣が続投し、シリーズ最終章を飾る。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    飲み屋で女五人が集まって、もうこうなったら飲んだくれましょうと言って、酒を飲み出すのが面白かった。お互いの旦那の悪口で盛り上がる。どんどんアナーキーになっていく。実に楽しそうだ。バンドマンを引き連れた男の人がそれまで影が薄かったのが、歌い始めると急に存在感が出てくる。片腕の男が口を使ったり足を使ったりタコのように必死に熱気球を操縦する。なんかオモロイ。老人たちはみんな元気だ。歳を取っても欲望は減っていかない。むしろますます盛んになるんだ。

  • 文筆家/俳優

    睡蓮みどり

    異文化の違いに戸惑いはあったとしても貶すようなことをしないというのは当然の話で、それを“笑い”にしてしまうこと自体に疑問がある。日本のバラエティにも「この国のこんなところがびっくり!」「日本サイコー」的な風潮がいまだにあるが「2023年に?」と疑問だし、移民が多く暮らすフランスで、今作る意義がわからない。親世代の感覚の違いと、子世代の価値観の違いが浮き彫りになるだけでなく結局それを子世代も結局引き継いでいるように見えてしまった。

  • 映画批評家、都立大助教

    須藤健太郎

    保守的なカトリックの一家の4人娘がそれぞれマグレブ系、ユダヤ系、アジア系、アフリカ系と結婚。そこから巻き起こる異文化の軋轢をコミカルに描き、人種差別を笑いに変えようとするコメディのシリーズだ。前2作は未見だが、こんなに広い家に住めて、何不自由ない裕福な生活を送っていれば、何があっても楽しいにきまっている。せっかく3作目を作るなら、婿たちの両親を出して文化の違いを強調するより、ジェンダーロールを攪乱するなど、家族像の刷新を図ればよかったのに。

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