THE KILLER 暗殺者の映画専門家レビュー一覧

THE KILLER 暗殺者

韓国の肉体派俳優チャン・ヒョクが自ら企画・主演したスタイリッシュ・アクション・エンタテイメント。「剣客」に続きチャン・ヒョクと二度目のタッグを組むチェ・ジェフン監督が同名のウェブ小説を原作に映画化。引退した伝説の殺し屋が孤独な少女を守り抜く最後の任務に挑む。銃撃戦から斧やナイフを使う戦闘シーンまで、チャン・ヒョクがノースタントで挑んだアクションが弾ける。犯罪組織のメンバーであり、最強の敵として迎え撃つのは、香港とハリウッドで活躍してきたベテラン俳優ブルース・カーン。出演は他に、イ・スンジュン、イ・ソヨン。
  • 米文学・文化研究

    冨塚亮平

    アクションそのものは悪くないしチャン・ヒョクの魅力を堪能できるファン映画としても手堅くまとまっていると言えるのだろうが、誰が見てもわかるレベルで「ジョン・ウィック」からアイデアを多数拝借しているように見える点には疑問が。予算の制限があるなかでも、元ネタにはない要素が多数盛り込まれた「ベイビーわるきゅーれ」のような優れた例もあるわけで、ヒット作の縮小再生産に陥らないよう、なんとか創意を加えようという気概が作品からほぼ感じられなかった点が残念。

  • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰

    降矢聡

    主人公の殺し屋は当然のようにべらぼうに強くて、悪い奴らは見事に腰抜けな下衆ばかりだが、ちょうどよく主人公の強さをお膳立てするくらいの少し強いやつもいる。警官は当然のように汚職警官だが、警察組織にまで蔓延る巨悪を告発する、というような大袈裟なことではなくて、適度に把握可能な範囲の裏の事情や金の流れ。唯一、主人公が過去に出会った少女関連のエピソードはどれほど本気に描こうとしているのか戸惑うが、概ねどれもが程よいところに収まっていて私は好き。

  • 文筆業

    八幡橙

    チャン・ヒョク×チェ・ジェフン。一人で斬って斬って斬りまくった「剣客」に続く第2弾は、舞台こそ現代に移ったが、血の繋がらない少女との関係含めやってることは前作とほぼ同じ! 企画から携わったチャン・ヒョクの“主体はアクション、物語は極力簡潔に“との言葉通り、理屈はさておき立ち回りという名の芸術を血飛沫もろとも一身に浴びてこそ、正解。共通項の多い「アジョシ」の台詞いじり(!?)他、チャ・テヒョンのカメオ出演、終幕のNG集など全篇に漲る洒落っ気も心憎い。

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