ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEの映画専門家レビュー一覧

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

トム・クルーズ主演のアクション大作「ミッション:インポッシブル」シリーズの第7作目。シリーズの随所に張り巡らされた伏線が交差する“集大成”として、イーサン・ハントに、かつてない極限のミッション≪決断≫が迫られることになる。ノルウェーの雄大な山々で繰り広げられる断崖絶壁バイクジャンプ、欧州市街地での激しいカーチェイス、激走する列車上での格闘など、怒涛のアクションが展開。監督は本シリーズで3作連続の監督を務めるクリストファー・マッカリー。共演は、常連のサイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、さらに前作から参加したヴァネッサ・カービー、初参加のヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ。
  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    「M:I」最新作は、世界の命運を握るとするひとつの鍵の争奪戦。しかもその鍵が何なのか誰もよくわからないまま、鍵を巡る追いかけっこを地球規模で繰り広げる。よって物語はほとんどなく場面展開だけがある。でもトム・クルーズはそれでいいと覚悟しているハズ。これは映画から活劇への原点回帰であり、バスター・キートンに最も近い役者はクルーズなのだ。クルーズ同様に観客もアクションのオーバードーズ(過剰摂取)状態になる。この馬鹿馬鹿しいまでの活劇精神を讃えたい。

  • 俳優、映画監督、プロデューサー

    杉野希妃

    トム・クルーズが命懸けで崖からジャンプする。我が身を挺して限界を超える。その姿を拝むだけで胸アツ。これは映画史の伝説になるだろう。あらゆるアクションを最もクールなやり方で最も刺激的な見せ方で魅せている。カーチェイスといい暴走列車といい息を呑むシーンの連続。ふっと笑える瞬間も随所にあり、3時間弱があっという間に過ぎた。その上女性キャラも全員猛烈にかっこいい。特にグレースの、敵味方どちらに転ぶか分からない危うさに痺れる。 正真正銘の超大作に狂喜!

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    ローマ市街を車で逃げまわるシークエンスだけで料金の元が取れそうな面白さ。なのにこんなものでは済まないお楽しみがまだまだ待ち受けているのだった。誰も信用せずに生きてきたグレースが、ついに人を信じるに至るというサブプロットにもグッとくる。PART ONEだけでもカタルシスが得られる作りなのも優秀。ところで「運命のダイヤル」も「ビースト覚醒」もこれも、全部同じ話だと気づいて愕然としたのだが、こういう物語を同時多発的に構想させる何かが、現代にはあるということかしら?

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