ザ・クリエイター 創造者の映画専門家レビュー一覧

ザ・クリエイター 創造者

「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズが、「TENET テネット」のジョン・デヴィッド・ワシントン主演で贈るSFアクション。A.I.との戦争が続く未来。退役軍人ジョシュアに、A.I.兵器の創造主“クリエイター”暗殺指令が下る。共演は「Fukushima 50」の渡辺謙、「エターナルズ」のジェンマ・チャン。
  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    「GODZILLA ゴジラ」で渡辺謙に広島の惨禍を語らせたG・エドワーズは、今度はいきなりLAを被爆都市にしてみせるのだった。太平洋戦争の影もちらつくが、それ以上にヴェトナム戦争のイメージが強烈に引用され、観客を「ニューアジア」の側につかせる。わたし好みの要素の多いストーリーなのに、繰り出されるアジア的意匠(ブレラン的渋谷もあり)の大量さが物語るとおり、一本の映画にこれは盛りこみすぎだろうという感じで、ダイジェスト版みたいにせわしなく見えるのがもったいない。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    人類とAIが戦争を繰り広げる未来を舞台に、AIの中心にいる「クリエイター」の暗殺を命じられた主人公と「クリエイター」と称される少女の形をしたAIとに芽生える絆を軸に物語はダイナミックに展開する。監督ギャレス・エドワーズのオリジナル脚本で彼が愛するさまざまな映画――「AKIRA」「地獄の黙示録」「スター・ウォーズ」――の要素をふんだんにちりばめながらもパロディではなく格調高い仕上がりで、新しい世界観を提示しているのが素晴らしい。映画史に残る新たな傑作の誕生だ。

  • 俳優、映画監督、プロデューサー

    杉野希妃

    昨今頻出している、ありがちなAIものかと思って見ていると、別次元にいざなわれる。「ブレードランナー」に「ポネット」的世界観が滲出したような。AI版ポネットともいえる少女役に本作で俳優デビューを果たしたというマデリン・ユナ・ヴォイルズを配役した時点で優勝。ラストのあの神がかった表情、その示唆に触れるだけでも一見の価値がある。AI対人間の対立が次第に、人間対人間あるいはAI対AIに展開するにつれ、「AIも人間も結局は同じ」という台詞を反芻することに。

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