スリ・アシィの映画専門家レビュー一覧

スリ・アシィ

インドネシア初のスーパーヒーローを描いた1954年のコミックを実写映画化。ブンミラゲット・シネマティック・ユニバース(BCU)第2弾。孤児院で育ったアラナは裕福な女性に引き取られ、格闘家として活躍していたが、ある日、トラブルに巻き込まれる。出演は、「グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー」のペフィタ・ピアース、「復讐は私にまかせて」のレザ・ラハディアン、「眠る男」のクリスティン・ハキム。
  • 文筆業

    奈々村久生

    女性が社会の壁に立ち向かうには、超自然的な力を借りなくては闘えないというストーリー自体が、実際の女性の立場の弱さを逆説的に証明しているが、死んでから幽霊になって復讐するよりはまだいい。ジャンルをまたいだ要素が詰め込まれているものの、編集のテンポの冴えなさに加え、演出にもメリハリがなく、せっかくのアクションものっぺりとして見える。男性同士のやり取りで見られるユーモラスな側面も、笑っていいのかどうかよくわからない微妙な空気になってしまっているのが残念。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    バットマンは〈悪も正義も気が狂ってる〉がテーマだし、スパイダーマンの宿命は〈童貞っぽさ〉だろうし「シン・仮面ライダー」のテーマは〈孤独なオタクは(女のオタクも)友人を作って善いオタクになるか、憎悪を抱いたまま悪のオタクになるかを選べる〉だった。スリ・アシィの宿命やテーマは何だろう。普通に〈強くてモテる女には弱者を救う義務がある〉? それはそれで達成されれば喜ばしいですが、もうちょっとややっこしい部分も見たかったな。最後の必殺技が〇〇の術なのはエロかったな。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    原作はインドネシアのエンターテインメント会社である、ブンミラゲットのコミック。MCU同様に、自社の人気キャラを主役に映画化した作品。いわゆるヒーローもので、孤児院で育った少女アラナが正義のヒーロー〈スリ・アシィ〉として、様々な自然の化身である悪の存在と戦う。要所要所でアジアを打ち出したのも珍しい個性で、スリが赤い布で戦うのがかっこいい。スリ役のペフィタ・ピアースは、キメ顔をするとニヤッと奇妙な余裕で笑ったような表情になる人で、その少し邪に見える顔立ちが良い。

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