ハンテッド 狩られる夜の映画専門家レビュー一覧

ハンテッド 狩られる夜

「ハイテンション」のアレクサンドル・アジャが製作を務め、スペインのスリラー映画「シャドウ・スナイパー」をリメイク。不倫相手と密会後、ガソリンスタンドに立ち寄ったアリスは、どこからか飛んできた銃弾で腕を負傷。目的の分からないまま命を狙われる。監督は、「マニアック」のフランク・カルフン。出演は、「ザ・ディープ・ハウス」のカミーユ・ロウ。
  • 文筆業

    奈々村久生

    冒頭の裏切りとスタートダッシュに身を乗り出したもののそれがほぼピーク。登場人物の限られたワンシチュエーションものは、脚本のアイディアに俳優と演出の力量も最大限に問われるが、いずれも不足が顕著。セリフを聞いていれば、コロナ禍における対策をはじめ社会への抗議が詰め込まれているのは理解するが、無線の声が届ける一方的な主張ではヤフコメの域を出ない。あるいはそれこそ顔なき世論のメタファーかと仮定しても、だとしたらその後の展開は決定的に間違っている。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    血まみれ地獄絵の一夜だと思ってたら(そうなのだが)社会派だった。しかも「エイリアン」だった。舞台は未来の宇宙じゃなく現在、だが我々の現在はあの時代からしたら恐怖の未来なのだ。宇宙の怪物じゃなく同国民と、会話してるのに話が通じない分断。マザー・エイリアンじゃなく主人公が、子を産むべきと追い込まれてる(妊婦がひどい目にあう話ではない)。冒頭でがっかりさせられた「エイリアン3」より、きっと続篇はないこっちのほうがいい。少女のジャージーの柄のことも考えさせられた。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    顔のわからぬ大量殺人鬼に襲われる物語で、相手は凄腕のスナイパー。とにかく強すぎて、主人公の製薬会社社員のアリスは、ガソリンスタンドから動けない。不倫が彼らを引き合わせた契機の一つで、犯人は共和党支持者で反ワクチンの、戦争にも行った男で妻に不倫をされたという特徴がある。そしてアリスはワクチンを扱う会社の社員で不倫中というのが、犯人を刺激した部分だ。ほぼ二人劇で間延びもするが、顔が見えないというのは、犯人を特定の人間に落とし込まないことになり、曖昧さが尾を引く。

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