THE MOONの映画専門家レビュー一覧

THE MOON

韓国のスター、ソル・ギョング&ド・ギョンス&キム・ヒエ共演で贈るSF大作。月面探査を目指す韓国の有人ロケット“ウリ号”が、宇宙で事故に遭い、クルー2人が死亡。孤立した新人宇宙飛行士ソヌ救出のため、かつての責任者ジェグクが呼び戻されるが……。監督は「神と共に」二部作を手掛けたキム・ヨンファ。
  • 俳優

    小川あん |THE MOON

    ウリ号? 韓国人宇宙飛行士で月面を歩いた人いたかな?と思ったら、近未来のSF映画だった! 韓国が宇宙開発競争に限らず、世界の映画産業に対しても切り札を差し出したような結構な力作。ドラマ展開に実直すぎる部分はあるけれど、主演ソル・ギョングの勢いで物語を引っ張っていく。ツッコミどころがたくさんあったが、楽しく鑑賞した。CGでイノシシの集団が突然現れるところとか、偉い上層部の人物に限ってオーバーアクティングしがちなこととか。エンタメ要素はやや韓国ドラマ寄り。

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子 |THE MOON

    映画内の人々が国の威信をかけて技術力の高さを証明しようとするのと同様、この作品自体もまた、韓国映画の技術力がいよいよ世界トップレベルにあることを証明する。複数の先行米国映画の影が序盤こそちらちらするが、手に汗握る展開を観るうち気にならなくなるはず。一方、もはやこれまでという局面を打開するのが、過去の因縁とディープな情念というのは韓国映画らしいところ。いつものように愛すべき小物感を爆発させるチョ・ハンチョルからいつも素晴らしいソル・ギョングまで、キャストも充実。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信 |THE MOON

    韓国初の月面有人探査というミッションを担い3人の宇宙飛行士が月へ旅立つが、太陽風の影響で2名の命が失われる。果たして残された1名は月面探査を行い、地球に帰還できるのか。韓国映画として最大級の超大作SFだが、構成は「ゼロ・グラビティ」×「オデッセイ」のまんま。そこに過剰なまでの愛国主義的な情感を盛り込み、かなりウエットな仕上がり。この制作費と技術力には素直に負けを認めるが、いかなる国の愛国主義映画も好まない私としては残念なプロパガンダ映画に思える。

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