#スージー・サーチの映画専門家レビュー一覧
#スージー・サーチ
新鋭ソフィー・カーグマンの長編デビュー作となるミステリー。ポッドキャスト配信のフォロワー獲得に苦戦する不器用な大学生スージー。彼女は、失踪した同級生の人気インフルエンサー、ジェシーを発見し、世間注目の存在となるが、事態は思わぬ方向へ……。出演は「さよなら、僕のマンハッタン」「ザ・フラッシュ」のカーシー・クレモンズ、「クワイエット・プレイス:DAY 1」のアレックス・ウルフ。
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文筆業
奈々村久生
ヒロインの自己承認欲求が物語の引き金になるというフリがあまり効いておらず、事件解決の鍵を握ると見られたライブ配信もほとんど生かされていない。オチはわりと早い段階で明かされるにもかかわらず、それが作劇の軸となっているわけでもなく、単に構成を入れ替えて流行りのツールをちりばめただけに思えてしまう。インフルエンサーとされている男子生徒の描写は薄く、なぜ彼がそれほどまでに人気を集めているのか語りが足りていない。学校の対応も記号的すぎて全体的に粗さが目立つ。
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アダルトビデオ監督
二村ヒトシ
ミステリとしては古典的だが、見せかたが新しく音楽もすばらしく、その古い筋立てで描かれてるのがポリコレ以後の、今の人間だった。その「今」とはどういう時代なのかを書くとネタバレしちゃうが、あえてちょっとだけ書くと、この青春映画はむちゃな恋愛の加害者がもつ権利意識の話だとも読める。関係ないが「ヘレディタリー 継承」主役のアレックス・ウルフが本作ではイケメンキャラなのに「ヒメアノ?ル」や「神は見返りを求める」のムロツヨシと同じ、とぼけた顔をしていて笑った。
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映画評論家
真魚八重子
ミステリ映画として非常に珍しい形を取っている。ポッドキャストやYouTubeを使って、自己承認欲求を満たす若者たちの物語で、映像の加工なども現代的なクリシェが使われている。幼い頃から推理小説が大好きなスージー(カーシー・クレモンズ)が、行方不明のインフルエンサーを捜す序盤から、その後の謎を割っていく展開が、突然倒叙ミステリになるという風変わりな構成だ。そこからサスペンスの要素が加わり、観客にハラハラ感を与える。ラストの編集の切れ味も余韻がある。
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