映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の映画専門家レビュー一覧

映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」

世界累計発行部数1100万部を超える人気児童小説を天海祐希主演で映画化。新米教師の小太郎は、赴任した小学校で、どんな願いも叶える不思議な駄菓子屋“銭天堂”の噂を耳にする。ところが、銭天堂の駄菓子を買ったらしい人々の様子がおかしくなり……。共演は『民王R』の大橋和也(なにわ男子)、「リゾートバイト」の伊原六花。監督は「スマホを落としただけなのに」の中田秀夫。
  • ライター、編集

    岡本敦史

    普通の芝居や日常的なシーンでは、記録ミスかと思うレベルでぎこちなさや間の悪さを感じさせるのは何故なのか。それに反して怪異や非日常を描くときの演出は淀みなく手慣れたもので、そこまで極端な作風だっけ?と思ってしまった。故に異界の住人に扮する天海祐希、上白石萌音は当然のごとく輝いており、一見冴えないヒロイン役の伊原六花は狂乱シーンで俄然光る。そんななか善良な凡人をひたむきに演じて好印象を残す大橋和也は、日本のコン・オニール目指して頑張ってほしい。

  • 映画評論家

    北川れい子

    中田監督による児童向けホラー? ファンタジーといえばそれまでだが、キャラも仕掛けも話も大人が観るには、ツラ過ぎる。原作はすでにアニメ化もされているそうだか、その駄菓子屋に行くと自分の願いが叶う菓子類が手に入るというゆるい安易さは、幼児ならともかく、尻がムズムズ。駄菓子屋の店主が「千と千尋の神隠し」の湯婆婆の孫娘ふうなのも、いまさら感が。子ども向けでも大人も一緒に楽しめる映画は少なくないが、本作は思いっきり大人は置いてきぼりで、天海祐希、お疲れさま。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    息子と幼児番組を見るようになって一番ハマったのがアニメの「銭天堂」。人間の弱みや悪意が巧みに描かれているだけに、この監督と脚本家が実写化するならトラウマ・ジュヴナイルを期待したくなる。だが、オムニバスではなく、新人教師と関係ある人物のみで描かれるだけに、突き放したオチにも出来ず微温的になってしまう。映画なのだからクライマックスは銭天堂大爆破ぐらい見せてほしかったが。松坂慶子と見紛う天海祐希の紅子は、ここまでするなら松坂慶子で良かったのでは?

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