二代目松本白鸚 ニダイメマツモトハクオウ

  • 出身地:東京市(現・東京都)
  • 生年月日:1942/08/19

略歴 / Brief history

東京市(現・東京都)の生まれ。本名・藤間昭暁。父は歌舞伎俳優の初代松本白鸚、母は初代中村吉右衛門の娘・正子。二男一女の長男で、2歳下の弟が二代目中村吉右衛門。1946年5月、“二代目松本金太郎”を名乗って東京劇場『助六』の外郎売りで初舞台。49年9月、歌舞伎座『逆艪』の遠見の樋口で“六代目市川染五郎”を襲名する。以後、歌舞伎俳優として活躍を続け、61年、父と、当時“中村万之助”を名乗っていた弟らと一緒に松竹から東宝へ移籍。歌舞伎だけでなく現代劇やミュージカルにも積極的に出演して、芸域を拡げていく。64年の『王様と私』でミュージカル初主演。映画は55年の五所平之助監督「たけくらべ」が初出演で、東宝移籍後の須川栄三監督「僕たちの失敗」62で初主演も飾る。60年代半ば以降は映画から離れたが、78年の五社英雄監督「雲霧仁左衛門」で復帰し、79年よりフリーとなって、歌舞伎をはじめとする舞台、映画、テレビドラマと旺盛な活動を続ける。80年、トヨタ自動車の開設者・豊田喜一郎を主人公とした佐藤純彌監督「遙かなる走路」で、研究に取り憑かれていく男の執念を好演。81年10月に“九代目松本幸四郎”を襲名したのち、松竹蒲田撮影所時代を描いた山田洋次監督「キネマの天地」86では、城戸四郎をモデルとした撮影所長を飄々と演じた。96年には16年ぶりの主演映画となる貞永方久監督「RYOHKAN/良寛」で貫録を示す。同年の舞台『マクベス』で、シェイクスピアの4大悲劇をすべて制覇。97年に演劇企画集団シアターナインズを、2000年には歌舞伎企画集団“梨苑座”を旗揚げする。2008年に『ラ・マンチャの男』上演が通算1100回に達し、ひとつの作品を同一主演者で上演するミュージカルの国内記録を更新した。テレビドラマは、NHK大河ドラマ『黄金の日日』78、『花の乱』94、フジテレビ『王様のレストラン』95、『モナリザの微笑』00、『天才柳沢教授の生活』02、テレビ朝日『生きる』07、WOWOW『人間動物園』10など。69年に結婚した紀子夫人との間に一男二女があり、長男・七代目市川染五郎、長女・松本紀保、次女・松たか子はいずれも俳優として活躍している。

二代目松本白鸚の関連作品 / Related Work

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  • すずめの戸締まり

    制作年: 2022
    世界を魅了するアニメーション監督・新海誠が贈る、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる”扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描いた現代の冒険物語。すずめの声を、1700 人を超えるオーディションから選ばれた原菜乃華が担当。扉を閉める旅を続ける“閉じ師”の青年・草太役には松村北斗。すずめの叔母・環役に深津絵里、草太の祖父・羊朗役に松本白鸚。さらには神木隆之介、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜という精鋭キャストが集結。音楽は新海作品 3 度目のタッグとなる RADWIMPS。映画音楽作曲家・陣内一真が共作として参加。主題歌「すずめ」を唄うのは次世代の逸材・十明。すずめが歩む道の先で待つのは、見たこともない風景、人々との出会いと別れ、そして驚きと困難の数々。それでも前に進む彼女たちの冒険は、不安や不自由さと隣り合わせの日常を生きる者たちの旅路にも、一筋の光をもたらす。過去と現在と未来をつなぐ、“戸締まり”の物語。
  • シネマ歌舞伎 三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち

    制作年: 2019
    歌舞伎の公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するシリーズの第36弾。みなもと太郎による歴史漫画『風雲児たち』を三谷幸喜の演出・脚本で歌舞伎化。江戸時代、商船神昌丸は伊勢を出帆するが、江戸に向かう途中で激しい嵐に見舞われ漂流してしまう。出演は「シネマ歌舞伎 女殺油地獄」の松本幸四郎、市川猿之助、「七つの会議」の片岡愛之助。2019年6月、歌舞伎座にて上演。
    96
  • ジャングル・ブック(2016)

    制作年: 2016
    ディズニーアニメにもなったラドヤード・キップリングの冒険小説を実写化。ジャングルに一人取り残された人間の赤ん坊・モーグリは、動物たちに育てられる。しかしトラのシア・カーンが現れ、モーグリに人間への復讐心をぶつける。4D/3D/2D同時公開。動物たちや大自然をCG技術を駆使し描いている。監督は「アイアンマン」シリーズのジョン・ファヴロー。少年モーグリをオーディションで選ばれた新人ニール・セディが演じるほか、「ガンジー」のベン・キングズレーや「ロスト・イン・トランスレーション」のビル・マーレイらが動物たちの声を担当している。
    90
  • 天地明察

    制作年: 2012
    「おくりびと」で第81回アカデミー賞外国語映画賞を獲得した滝田洋二郎監督が、第31回吉川英治文学新人賞および第7回本屋大賞を受賞した冲方丁による同名ベストセラー小説(角川書店刊)を映画化。江戸時代前期に星の観測をもとに膨大な計算をし、改暦の大事業に挑戦した安井算哲(後の渋川春海)の姿を描いた時代劇。脚本は滝田洋二郎監督と「クライマーズ・ハイ」の加藤正人。出演は「花よりもなほ」の岡田准一、「ツレがうつになりまして。」の宮崎あおい、「麒麟の翼~劇場版・新参者~」の中井貴一、「十三人の刺客」の松本幸四郎ほか。作曲家の久石譲が「おくりびと」に続いて再び滝田監督とタッグを組み音楽を担当している。
    70
  • わが心の歌舞伎座

    制作年: 2010
    2010年4月30日をもって休場した歌舞伎座の全貌に迫るドキュメンタリー。監督は「シネマ歌舞伎特別篇 牡丹亭」の十河壯吉。ナレーションを「座頭市 THE LAST」の倍賞千恵子が担当する。2009年、歌舞伎座の建替えによる休場が決まり、歌舞伎座さよなら公演がスタート。刻一刻と休場へと向かう中、数々の名舞台が生まれていく。その舞台に出演した名優たちが歌舞伎座への想いを語る。役への一念、受け継がれてきた名跡と芸、初舞台や思い出の舞台、先達の言葉、さらなる目標へと向かう志……。稽古風景や楽屋の日常、美術・音曲・衣裳・かつら・床山・小道具など舞台の制作現場を捉え、さらには歌舞伎座の歴史を彩る物故俳優の思い出も交えながら歌舞伎の真髄に迫っていく。やがて16か月に及ぶさよなら公演も千穐楽を迎え、その翌日に一般非公開で修祓式が行われ、遂に2010年4月30日の閉場式が始まった。「都風流」「京鹿子娘道成寺」が演じられた後、総勢300名の俳優と溢れんばかりの客席の全員が想いを込めた手締式で歌舞伎座は幕を閉じる。そして俳優たちは、また次の舞台へと向かうのだった。2013年春、第五期歌舞伎座完成予定。
  • 十三人の刺客(2010)

    制作年: 2010
    1963年公開の工藤栄一監督による同名時代劇を、「クローズZERO」シリーズの三池崇史監督が現代風に再構築。出演は「ガマの油」の役所広司、「シーサイドモーテル」の山田孝之、古田新太、「人間失格」の伊勢谷友介、「山形スクリーム」の沢村一樹、「さんかく」の高岡蒼甫、「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」の六角精児など。

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