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- 田畑智子
略歴 / Brief history
京都府京都市の生まれ。実家は祇園の老舗料亭・鳥居本。12歳の時に相米慎二監督「お引越し」93のヒロイン・漆場レンコ役のオーディションを受け、応募総数8,235名の中から選ばれデビュー。離婚を前提に別居した両親の間で揺れる少女の心理を見事に表現し、キネマ旬報賞新人女優賞を始め、毎日映画コンクール、報知映画賞、ヨコハマ映画祭、高崎映画祭などの新人賞に輝いた。その後も女優としてテレビ東京『夫婦善哉』95、『小石川の家』96、TBS『メロディ』97などのテレビドラマに出演し、1996年から2001年までは、久世光彦演出によるTBS『向田邦子新春スペシャル』に続けて起用されるなど経験を重ねていった。00年、NHK連続テレビ小説『私の青空』のヒロイン・北山なずな役に抜擢。内舘牧子脚本による本作は、シングルマザーがたくましく子供を育てていく姿を描いたもので、好評を得てNHK朝ドラ史上初の続編『私の青空2002』02も作られた。04年、崔洋一監督「血と骨」でビートたけし演じる主人公の娘・金花子に扮し、山田洋次監督「隠し剣・鬼の爪」でも主人公の友人・吉岡秀隆の妻を演じて強い印象を残す。これらの演技によって日本アカデミー賞優秀助演女優賞、毎日映画コンクール助演女優賞に輝いている。さらにこの年にはNHK大河ドラマ『新選組!!』で、香取慎吾扮する主人公・近藤勇の妻としてレギュラー出演するなど、演技派女優としての力量を見せつけた。その後もコンスタントに映画出演し、10年の「さんかく」では、中学生の妹に同棲相手の心を奪われていく姉の心理を絶妙のバランスで表現。舞台にも03年の『ニンゲン御破産』から毎年出演して、一人芝居に挑戦した『バッタモン』08など着実に力をつけている。テレビドラマはほかに、フジテレビ『救命病棟24時』01、日本テレビ『新・夜逃げ屋本舗』03、『ラストプレゼント・娘と生きる最後の夏』04、『アイシテル・海容』09、NHK『芋たこなんきん』06、『おシャシャのシャン!』08、テレビ東京『鈴木先生』11など。03年、ディズニーのアニメーション「リロ・アンド・スティッチ」でナニ役の日本語吹き替えを担当し、以後は同作品の映画、テレビシリーズでも声優として参加している。
田畑智子の関連作品 / Related Work
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君は放課後インソムニア
制作年: 2023青春漫画の旗手・オジロマコトの同名漫画を実写映画化。不眠症に悩む高校生の男女が、天文部の物置となった天文台で出会い、自分の居場所を求めて歩み出す物語。ドラマシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』で主演を務める森七菜と、「MOTHER マザー」で数々の新人賞を受賞した奥平大兼がW主演を務めた。池田千尋監督が『記憶の技法』など数々の作品でタッグをくむ高橋泉と共同で脚本を執筆。原作と同じく海や山に囲まれた石川県七尾市を中心に撮影が行われた。 -
空白
制作年: 2021古田新太、松坂桃李初共演、吉田恵輔監督・オリジナル脚本で贈る「空白の時代」とそこに生きる人間の業を炙り出すヒューマンサスペンス。中学生の少女の万引き未遂事件と逃走中の不幸な死。追いかけた店長は少女の父親の逆襲にあい、人生を脅かされていく。人と人のつながりや家族の絆の希薄さ、そしてメディアの狂乱も手伝い、思わぬ方向に感情が増幅してしまう危険をはらんだ現代社会。やがて登場人物たちは、愛と憎しみの果てに「全員被害者・全員加害者」の様相を呈していく。偽り、圧力、良心の呵責……空白の時間に起きた事件が生み出す人々の心の空白。その空白は何で埋められるのか? 一見沈鬱に見える題材をシニカルかつブラックユーモアを交えた視点で描くのは、「ヒメアノ~ル」「愛しのアイリーン」の吉田恵輔監督。観る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充に、劇団☆新感線の看板役者の古田新太が扮し、7年ぶりの主演作を完成させた。土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされるスーパーの店長・青柳直人に、「新聞記者」でアカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた松坂桃李。企画・プロデュースは、「あゝ、荒野」「新聞記者」「宮本から君へ」など話題作を世に送り出してきたスターサンズの河村光庸。70点 -
おらおらでひとりいぐも
制作年: 2020第158回芥川賞・第54回文藝賞を受賞した若竹千佐子の同名小説を、「モリのいる場所」の沖田修一監督が映画化したユーモア溢れる人間ドラマ。突然夫に先立たれひとり退屈な日々を過ごす75歳の桃子の前に、桃子の心の声を具現化した “寂しさ”たちが現れる。ひとり暮らしの桃子を「いつか読書する日」以来の映画主演となる田中裕子が、若い頃の桃子を「長いお別れ」の蒼井優が、桃子の心の声である“寂しさ”たちを濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎が演じる。また桃子のイマジネーションを美術家・日本画家の四宮義俊がアニメーションで、「関ヶ原」など数々の作品のVFXスーパーバイザーを務めるオダイッセイがVFXで描く。92点