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- 池内万作
略歴 / Brief history
東京都の生まれ。父は俳優で映画監督の伊丹十三、母は女優の宮本信子。映画監督の祖父・伊丹万作(本名・池内義豊)にちなみ、万作と名付けられた。1989年、和光学園高校を休学してアメリカに留学。91年にペディースクールを卒業後、渡英してロンドンのリー・ストラスバーグ校で演技と脚本を学び、舞台俳優として経験を積む。94年に帰国。母を介してプロデューサーの市村朝一と知り合い、市村が製作に携わった渡邊孝好監督「君を忘れない」95で映画デビューを果たす。仲間の中で唯一、突撃せぬまま帰還を命じられた特攻隊員・佐伯少尉の複雑な胸中を丹念に演じた。大林宣彦監督「SADA/戯作・阿部定の生涯」98では、阿部定の処女を奪う慶応ボーイ役で性格俳優の片鱗を覗かせる。大林作品にはその後も、98年放送のテレビ朝日『三毛猫ホームズの黄昏ホテル』、2000年の「淀川長治物語・神戸編/サイナラ」に出演。01年の高橋伴明監督「光の雨」では、連合赤軍の主要メンバーを劇中劇で熱演し、俳優として飛躍。同様の題材を別の視線で描く原田眞人監督「突入せよ!・『あさま山荘』事件」02、傷痍軍人を好演した阪本順治監督「この世の外へ・クラブ進駐軍」04などを経て、新藤兼人監督「ふくろう」04では鬼畜母娘に近寄るふてぶてしい巡査役、「陸に上がった軍艦」07でも続けて新藤と組み、新藤流の権威への痛烈な皮肉を絶妙に体現する。テレビドラマは、95年のフジテレビ『まだ恋は始まらない』に初出演後、NHK『あぐり』97、『利家とまつ・加賀百万石物語』02、『どんど晴れ』07、「龍馬伝」10などに出演。劇場公開もされたWOWOW『犯人に告ぐ』07や、李相日監督「悪人」10などで刑事役をたびたび演じているが、TBS『こちら本池上署』02~05の出世欲の強いノンキャリアの巡査部長役も好評を博した。また、NHK-BS『日本のいちばん長い夏』10では、さまざまな分野の文化人による“文士劇”を俳優として支え、のちに劇場公開もされている。
池内万作の関連作品 / Related Work
作品情報を見る
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レジェンド&バタフライ
制作年: 2023「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督が、織田信長と謎に包まれたその正室・濃姫の知られざる物語を木村拓哉&綾瀬はるか主演で映画化。政略結婚で結ばれた信長と濃姫。当初は対立していた2人だったがやがて天下統一の夢を共にし、激動の30年を駆け抜けてゆく。共演は「ムーンライト・シャドウ」の宮沢氷魚、時代劇映画初出演となる市川染五郎。60点 -
キュクロプス
制作年: 2018ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で北海道知事賞とシネガーアワードをW受賞したサスペンス。妻とその愛人を殺害した罪により14年の服役を終えた篠原。ある日、事件を担当した刑事・松尾から、真犯人は稲葉組の若頭・財前であることを聞き、篠原は復讐を誓う。出演は「寄生獣」の池内万作、「凶悪」の斉藤悠、「闇金ドッグス7」の佐藤貢三。監督・脚本は『ノラ』の大庭功睦。80点 -
フローレンスは眠る
制作年: 2016同族企業で発生した次期社長誘拐事件と、身代金代わりに要求された幻のダイヤに隠された秘密を巡るサスペンス。監督は、元テレビディレクターの兄・克人と俳優出身の弟・健二のコンビ、小林兄弟(「369のメトシエラ 奇跡の扉」)。出演は「BRAVE HEARTS 海猿」の藤本涼、「リアル鬼ごっこ」(15)の桜井ユキ。60点