鈴木杏 スズキアン

  • 出身地:東京都世田谷区
  • 生年月日:1987/04/27

略歴 / Brief history

東京都世田谷区の生まれ。小学生の頃から子役として芸能活動を始め、96年の日本テレビ『金田一少年の事件簿』にゲスト出演してドラマデビュー。翌97年のTBS『青い鳥』でヒロイン・夏川結衣の娘役を演じ、大きく真っ黒な瞳に神秘的な光を宿す美少女として一躍脚光を浴びる。99年には「ヒマラヤ杉に降る雪」でハリウッド映画デビューも果たした。NHK『六番目の小夜子』00などのミステリアスな役も多かったが、山崎貴監督の「ジュブナイル」00、「リターナー」02ではボーイッシュで躍動感あふれる一面を見せた。岩井俊二監督「花とアリス」04では不器用な少女をコミカルかつ愛らしく演じ、北野武監督「監督・ばんざい!」07では岸本加世子とコンビでシュールな世界観を明確に体言した。森田芳光監督「椿三十郎」07では母親役の中村玉緒とともに、おっとりした武家の母娘のおとぼけ演技で笑わせた。無垢な印象がある一方で、豊田利晃監督「空中庭園」05では援助交際をしている女子高生役、及川中監督「吉祥天女」07では死のニオイを感じさせるヒロイン。染みひとつない真っ白さの中にふと影を見せる、不思議な魅力を持つ。11年は大森立嗣監督「まほろ駅前多田便利軒」で風俗嬢役、廣木隆一監督「軽蔑」でポールダンサー役と大人の女優への脱皮を図っている。テレビドラマはほかに、TBS『Stand UP!!』03、フジテレビ『神様のいたずら』00、『がんばっていきまっしょい』05、『Room Of King』08、NHK『遥かなる絆』09など。また、身体能力が高いことを活かして舞台での活動も多い。映画「青の炎」03で蜷川幸雄と出会ったことを機に、同年の舞台『ハムレット』ではオフィーリアを演じた。『奇跡の人』03では三重苦のヘレン・ケラー役。6年後の09年にはヘレンを導くサリバン先生を演じている。『ロミオとジュリエット』04ではジュリエット役。これによってオフィーリアと並びシェイクスピアの二大ヒロインを演じたことになる。劇団☆新感線の『髑髏城の七人』04ではアクションもこなしてみせた。09年の『ムサシ』は故・井上ひさしの書き下ろし戯曲。復讐の連鎖を断ち切るという重要なテーマを語る筆屋乙女役を任せられ、ロンドン、ニューヨーク公演でも欧米人を沸かせた。

鈴木杏の関連作品 / Related Work

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  • 明日にかける橋 1989年の想い出

    制作年: 2018
    静岡県袋井・磐田両市・森町を舞台にした家族ドラマ。弟の事故死をきっかけに家庭は荒み、みゆきは一人で家を支えていた。父の葬儀の夜、願いが叶うと伝わる明日橋を駆け抜けたみゆきは、事故の前日にタイムスリップする。市民有志が中心となり製作された。浜松市で撮影した「青い青い空」、湖西市の「朝日のあたる家」、島田市の「向日葵の丘・1983年夏」と、静岡県内を舞台にした作品を多く手がける太田隆文がメガホンを取る。家族を救おうとする主人公みゆきを「軽蔑」の鈴木杏が演じるほか、「火花」の監督などマルチな才能を発揮する板尾創路、「向日葵の丘・1983年夏」でも太田監督と組んだ田中美里、映像・舞台で活躍し続ける宝田明らが出演。
  • 花とアリス殺人事件

    制作年: 2015
    岩井俊二監督が、自らの代表作の1つである「花とアリス」の前日譚として、主人公“花”と“アリス”の出会いと初めての冒険を完全オリジナルストーリーとして描く。本作が初のアニメーション作品となる岩井監督は、原作・脚本・音楽も兼任。「花とアリス」にも主演した蒼井優と鈴木杏が、同じ配役で声の出演をしている。
    80
  • 仲代達矢 役者を生きる

      制作年: 2015
      「切腹」「影武者」など映画150本に出演、舞台主役は60本を越える、世界的な名優、仲代達矢(82歳)の“「役者」を生きる人生”を描く。日本映画の黄金時代に黒澤明、小林正樹、市川崑、木下恵介、岡本喜八、五社英雄など、綺羅星のごとき名監督たちと、向き合ってきた仲代達矢。今もなお「演じることの重さ」に耐え、「役者」として生きる姿を描いたドキュメンタリー。「書くことの重さ~作家 佐藤泰志」の稲塚秀孝監督が俳優生活60周年の名優にカメラを向ける。
    • さよなら渓谷

      制作年: 2013
      『悪人』『横道世之介』など著書が多数映像化されている吉田修一の同名小説(新潮文庫・刊)を、「まほろ駅前多田便利軒」「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の大森立嗣監督が映画化。ある殺人事件に関して妻が夫を告発したことから、記者が二人を結びつけるものを探っていくミステリー。愛憎の間で揺れ動く妻を「すーちゃん まいちゃん さわこさん」「ゆれる」の真木よう子が、その夫を「キャタピラー」「赤目四十八瀧心中未遂」の大西信満が、二人を追う記者を「東京プレイボーイクラブ」「ハゲタカ」の大森南朋が演じている。その他、「軽蔑」の鈴木杏、「かぞくのくに」の井浦新、「赤い季節」の新井浩文、「沈まぬ太陽」の鶴田真由らが出演。
      70
    • ヘルタースケルター(2012)

      制作年: 2012
      第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞に輝いた岡崎京子の伝説的熱狂コミック『ヘルタースケルター』(雑誌『FEEL YOUNG』で連載)を、「さくらん」の蜷川実花が約7年の歳月を重ね、待望の映画化。全身整形によるトップモデルへと上り詰めた女性・りりこを演じるのは「パッチギ!」の若手実力派女優沢尻エリカ。日本を代表する映画女優・寺島しのぶや、綾野剛、水原希子、窪塚洋介、桃井かおりなど脇を固める豪華な俳優人と共に、欲望で溢れた芸能界の世界をゴージャス、そしてスキャンダラスに描いていく。
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    • ヒミズ

      制作年: 2011
      「冷たい熱帯魚」の園子温監督が漫画家・古谷実(『行け!稲中卓球部』)の問題作を映画化。家庭環境に恵まれない少年と愛に飢えた少女、2人の中学生の青春を切れ味鋭い独自のタッチで描く。主演の染谷将太(「東京公園」)と二階堂ふみ(「指輪をはめたい」)は、本作でヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。
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