ロン・ハワード

  • 出身地:オクラホマ州ダンカン
  • 生年月日:1954/03/01

略歴 / Brief history

【ニューハリウッドの王道に立つ屈指のヒットメーカー】アメリカ、オクラホマ州ダンカンの生まれ。両親ともに俳優で、自身も幼い頃から子役として活躍。その後、大ヒットしたテレビシリーズ『ハッピーデイズ』で人気が爆発し、ジョージ・ルーカスの「アメリカン・グラフィティ」(74)にも出演して若手俳優としての地位を確立した。しかし、製作・監督に興味を持っていたハワードは、“B級映画の帝王”ロジャー・コーマンと、コーマン製作の低予算映画に出演する代わりに初監督作の製作資金を提供させるという取引を成立させた。こうして極端な低予算で製作されたアクション・コメディ「バニシングINTURBO」(77)はスマッシュ・ヒットとなった。何本かテレビ映画を演出して腕を磨いたのち、満を持して発表した「ラブINニューヨーク」(82)もヒット。続く「スプラッシュ」(84)も大ヒットとなったが、次の作品「コクーン」(85)で軽喜劇のみならず大作映画も扱える手腕の持ち主であることを証明し、第一線に躍り出ることとなった。その後も家庭喜劇「バックマン家の人々」(89)、エピック「遥かなる大地へ」(92)、実話をもとにした「アポロ13」(95)、サスペンス「身代金」(96)ほか、ジャンルに囚われることなく上質な娯楽作品を量産し続ける。01年の「ビューティフル・マインド」で念願のアカデミー作品賞を受賞した後も、監督・製作者として、精力的な活動を続けている。【オールド・ハリウッドの後継者】ニューハリウッドの王道に立つハワードは当初、大学で映画作りを学ぼうとしたが、現場で学ぶことのほうが多いと思い直して退学し、ロジャー・コーマンの門を叩いた。このことからもわかるように、ハワードは自らのテーマや独自のスタイルに固執する監督ではなく、伝統的な手法でがっちりとした作品を作り上げるオールラウンド・プレイヤーである。コメディ、ファンタジー、西部劇、ファミリー・ピクチャー、舞台劇の映画化と、どんなジャンルの作品を手がけても一定の成果を出してしまうため、映画作家としての個性は?みにくいところがある。むしろスタジオ・システム全盛時代に大手映画スタジオと契約していたマイケル・カーティスやウィリアム・ワイラーのように、プロフェッショナルであることに誇りを持つ職人としての側面が強い。新聞記者もの「ザ・ペーパー」(94)、クリスマス映画「グリンチ」(00)、ボクシング映画「シンデレラマン」(05)ほか、オールド・ハリウッドの代表的ジャンルを意識的に手がけているように見えることからも、オールド・ハリウッドの伝統を受け継ぐ自らの立ち位置を、ある程度は自覚していると考えられる。弟であるクリント・ハワードがほとんどの作品に顔を出すのがトレード・マークで、娘のブライス・ダラス・ハワードも女優として活躍中。

ロン・ハワードの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • tick,tick・・・BOOM!:チック、チック・・・ブーン!

    制作年: 2021
    30歳の誕生日を目前に控え、ニューヨークでアーティストとしての夢を追って生きるミュージカル作曲家ジョナサン。恋、友情、プレッシャーなど、人生の岐路に立つ彼の悩みは尽きない……。ミュージカル「RENT」の作曲家ジョナサン・ラーソンによる同名の自伝ミュージカルをもとに映画化。監督は、ピューリッツァー賞・トニー賞を受賞した「イン・ザ・ハイツ」で知られるリン=マヌエル・ミランダ。今作が長編映画監督デビュー作となる。主人公ジョナサンをアンドリュー・ガーフィールドが演じる。2021年11月19日からのNetflixでの配信に先駆け、一部劇場で公開。
  • ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌

    制作年: 2020
    原作は、J・D・バンスの自伝的回顧録。アパラチア山脈の田舎に暮らす3世代にわたる家族の物語を名匠ロン・ハワードが手がけたNetflixオリジナル映画。2020年11月24日からのNetflixで独占配信に先駆けて、2020年11月13日から劇場限定公開。
  • ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

      制作年: 2019
      ロックバンド『ザ・バンド』の軌跡を辿るドキュメンタリー。ギターのロビー・ロバートソンによる自伝を基に、当時の映像やエリック・クラプトンらのインタビューを交えながら、バンドの誕生からメンバー達の友情と軋轢、1976年の伝説的解散ライブまでを追う。映画監督のマーティン・スコセッシやロン・ハワードが製作総指揮として参加。
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    • パヴァロッティ 太陽のテノール

        制作年: 2019
        オペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティの生涯を「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK」のロン・ハワードがドキュメンタリー映画化。絶頂期のパフォーマンスや貴重なプライベート映像、関係者へのインタビューで彼の人生を浮き彫りにする。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の録音技師、クリストファー・ジェンキンズが、歌声を最新技術でスクリーンに蘇らせる。
      • ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

        制作年: 2018
        若き日のハン・ソロを描く、『スター・ウォーズ アンソロジー』として製作されるスピンオフ第2弾。
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      • ダークタワー

        制作年: 2017
        スティーヴン・キングの作家人生の集大成ともいえる『ダークタワー』シリーズを映画化。時空を超越する荒廃した異世界を舞台に、世界の支柱といわれる<タワー>を巡り、拳銃使い“ガンスリンガー”と、世界の崩壊を目論む“黒衣の男”との究極のバトルを映し出す。出演は「マイティ・ソー バトルロイヤル」のイドリス・エルバ、「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒー、TV『女医フォスター 夫の情事、私の決断』のトム・テイラー。監督・脚本は「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のニコライ・アーセル。共同脚本を「キング・アーサー」のアキヴァ・ゴールズマン、「アメイジング・スパイダーマン2」のジェフ・ピンクナー、「悪党に粛清を」のアナス・トマス・イェンセンが務める。
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