アキ・カウリスマキ アキカウリスマキ

  • 出身地:フィンランド、オリマティラ
  • 生年月日:1957年4月4日

略歴 / Brief history

【フィンランドが生んだオフビートな奇才】フィンランドのオリマティラ出身。兄はやはり映画監督のミカ・カウリスマキ(代表作「GO!GO!L.A.」)。ブルースとR&B、バイクに夢中の少年時代を送り、19歳で兵役を終えると、首都ヘルシンキで郵便配達をはじめ様々な職に就きながら、シネマテークへ通いつめて映画を観る。大学で社会学を学ぶかたわら映画評論家・雑誌編集者として活動するも、3年目に中退。1981年、兄ミカの監督処女作「嘘つき」の脚本と主役を担当し、同年、フィンランドのロック・バンドのツアーを撮影した長編ドキュメンタリー映画「サイマー現象」を兄弟で共同監督する。初の劇映画作品は、ドストエフスキーの古典を映画化した「罪と罰」(83)。続くコメディ「カラマリ・ユニオン」(85)も好評を得て、3作目の「パラダイスの夕暮れ」(86)がカンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、国際的な注目を浴びた。ロックバンド、レニングラード・カウボーイズの活躍を描いた2作品「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(89)、「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」(94) が世界中で大ヒットして、ファン層を一気に拡大。92年の「ラヴィ・ド・ボエーム」がベルリン国際映画祭で国際評論家連盟賞を、2002年の「過去のない男」がカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、フィンランド映画界では稀少な世界的な人気監督となる。【労働者・敗者三部作でスタイル確立】オフビートなテンポとシニカルなユーモア、極端に少ない台詞などで独特の雰囲気を生み出し、社会の底辺やさえない日常を生きる人びとに目を向けた作品が多い。代表は、ゴミ収集人、失業者、女工を主人公にした労働者三部作(「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」)と、失業夫婦、ホームレス、孤独な男を描いた敗者三部作(「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」)。自作すべての脚本を手がけており、劇中に犬をよく登場させるのも特徴。アメリカでロケをした「レニングラード・カウボーイズ」や憧れの俳優ジャン=ピエール・レオを主役に招きイギリスで撮った「コントラクト・キラー」(90)、フランスで製作した「ラヴィ・ド・ボエーム」など海外を舞台にした作品も幾つかあるが、基本的には母国フィンランドで映画づくりを続けている。

アキ・カウリスマキの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 枯れ葉

    制作年: 2023
    カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いたアキ・カウリスマキのラブストーリー。北欧の街ヘルシンキ。理不尽な理由で仕事を失ったアンサと、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパはある夜、カラオケバーで出会い、互いの名も知らぬまま、惹かれ合うが……。出演は「TOVE/トーベ」のアルマ・ポウスティ、「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」のユッシ・ヴァタネン。
  • 希望のかなた

    制作年: 2017
    2017年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したアキ・カウリスマキ監督作。フィンランドの首都ヘルシンキ。生き別れの妹を探すシリア難民の青年カーリドは、差別や暴力に晒されるなか、レストランオーナーのヴィクストロムと出会い、彼の店で働き始めるが……。出演は、本作が長編初主演となるシェルワン・ハジ、「過去のない男」のサカリ・クオスマネン、「街のあかり」のイルッカ・コイヴラ、ヤンネ・ヒューティアイネン。
    80
  • 白夜のタンゴ

    制作年: 2013
    フィンランドがタンゴ生誕の地であるという話を聞いたアルゼンチンのミュージシャン3人が、真実を確かめるためにフィンランドの地を旅する音楽ドキュメンタリー。各地でミュージシャンとセッションを重ねながら、北欧文化に触れタンゴの起源を辿る姿を追いかける。「ル・アーヴルの靴みがき」などのアキ・カウリスマキ監督やフィンランドの国民的タンゴ歌手、レイヨ・タイパレも出演。
  • ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区

    制作年: 2012
    ポルトガル発祥の地といわれる古都ギマランイスをテーマに、「ル・アーヴルの靴みがき」のアキ・カウリスマキ、「コロッサル・ユース」のペドロ・コスタ、「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ、「夜顔」のマノエル・ド・オリヴェイラが競作したオムニバス。EU提唱の2012年“欧州文化首都”に指定されたギマランイスを紹介するために企画された作品。
  • ル・アーヴルの靴みがき

    制作年: 2011
    「街のあかり」(06)以来5年ぶりとなるアキ・カウリスマキの監督作品で「ラヴィ・ド・ボエーム」に次ぐ2本目のフランス語映画。監督デビューした1980年代から一貫して社会の片隅でひっそりと生きるアウトサイダーを見つめてきたカウリスマキが、今作ではヨーロッパの深刻な難民問題を描き出す。庶民の人情と善意がたぐり寄せる奇跡を、時に優しく、時にこぼれだすオフビートなユーモアを交え、つむぎだされたヒューマン・ドラマの傑作。
  • それぞれのシネマ「鋳造所」

    制作年: 2007
    『あなたにとって映画館とは』をテーマに、世界の名匠たちが【3分間】で撮ったオムニバスの一遍。カンヌ国際映画祭の60回目の開催を記念し製作された。