長塚京三 ナガツカキョウゾウ

  • 出身地:東京都世田谷区
  • 生年月日:1945/07/06

略歴 / Brief history

東京都世田谷区の生まれ。中学生の頃から演劇と映画に熱中し、早稲田大学文学部演劇科在学中に“砂”という劇団を有志と結成して、演劇活動を始める。しかし1968年、大学を中退し、フランスに渡ってソルボンヌ大学へ入学。文明講座、フランス文学や演劇史を学ぶ。パリ滞在中の74年にフランス映画「パリの中国人」の主役オーディションに合格し、映画デビュー。帰国後、TBSのドラマ『樹氷』74で国内でも俳優活動を開始する。左幸子監督「遠い一本の道」77、神山征二郎監督「日本フィルハーモニー物語・炎の第五楽章」81などの映画や、NHK『男たちの旅路』77、『おんな太閤記』81、TBS『文子とはつ』77、『中卒・東大一直線/もう高校はいらない』84、フジテレビ『愛の嵐』86、『夏の嵐』89などのテレビドラマで、折り目正しい知性派俳優として活躍。90年の井筒和幸監督「宇宙の法則」では、古尾谷雅人演じる主人公の良明とは対照的な兄・一也を端正な芝居で好演して、アジア太平洋映画祭助演男優賞を受賞、その個性がたちまち注目を集めた。92年、平山秀幸監督「ザ・中学教師」で管理教育を徹底するクールなプロ教師の主人公、水谷俊之監督「ひき逃げファミリー」でひき逃げ事故を起こし証拠隠滅のためマイカーの解体を計るサラリーマンをそれぞれ演じ、前者はシリアスに、後者はシニカルな笑いを誘って、毎日映画コンクールの男優主演賞を受賞する。以降も、篠田正浩監督「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」97、市川準監督「東京夜曲」97などで好演し、2002年の平山監督「笑う蛙」ではヨコハマ映画祭主演男優賞を獲得。CMなどでも中年男性の渋さや茶目っ気を多様に表現し、“理想の上司・父親”像を体現する存在となった。テレビドラマはほかに、フジテレビ『ナースのお仕事』96~00、『ニュースの女』98、TBS『理想の上司』97、『しあわせのシッポ』02、『夢で逢いましょう』05、『官僚たちの夏』09、NHK『定年ゴジラ』01、『篤姫』08、『マドンナ・ヴェルデ/娘のために産むこと』11など多数。前夫人との間にもうけた息子は劇団阿佐ヶ谷スパイダース主宰の俳優・長塚圭史。

長塚京三の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • お終活 再春!人生ラプソディ

    制作年: 2024
    シニアライフをテーマにした「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」の続篇となるコメディ。一人娘・亜矢の結婚を控えた大原千賀子と真一の夫婦。そこへ、真一の認知症疑惑が持ち上がる。一方、千賀子は若い頃に熱中したシャンソンを再び習い始め……。出演は「月」の高畑淳子、「沈黙の艦隊」の橋爪功。
  • 敵(2023)

    制作年: 2023
    日本文学界の巨匠・筒井康隆による同名小説を「騙し絵の牙」の吉田大八監督が映画化、人生の最期に向かって生きる人間をモノクロ映像で描く。妻に先立たれ20年間ひとり暮らしをしている元大学教授・渡辺儀助は、自ら定めたXデーに向けて淡々と暮らしていたが、ある日パソコンの画面に敵がやって来るというメッセージが流れ……。長塚京三が「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」以来12年ぶりに映画主演。共演は、「由宇子の天秤」の瀧内公美、「あんのこと」の河合優実、「親密な他人」の黒沢あすかほか。2024年第37回東京国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。
  • ミッドナイト・バス

    制作年: 2017
    伊吹有喜原作の同名小説を映画化。新潟と東京間を運行する長距離夜行バスの運転手・利一には、離婚した妻・美雪、息子の怜治、娘の彩菜がいるが、今は別々に暮らしている。ある日、利一のバスに美雪が偶然乗車する……。第30回東京国際映画祭特別招待作品。出演は、「ボクの妻と結婚してください。」の原田泰造、「WHO AM I?」の山本未來、「振り子」の小西真奈美、ドラマ『わろてんか』の葵わかな、「SCOOP!」の七瀬公、「ぼくたちの家族」の長塚京三。監督は、「ジャンプ」の竹下昌男。2018年1月20日より新潟先行ロードショー。
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  • クロスロード(2015)

    制作年: 2015
    現地の人々と交流しながら派遣国・地域の発展や育成等を支える海外ボランティア事業、青年海外協力隊に参加した隊員たちを捉えた青春ドラマ。ボランティアに懐疑的な青年と優等生タイプの青年が反目しあいながらも成長していき、東日本大震災後に再会するまでを描く。青年海外協力隊50周年記念事業として製作され、シナリオを公募し入賞作を基にしている。監督を務めた「マリリンに逢いたい」のすずきじゅんいち、脚本・脚本監修を手がけた「闇金ウシジマくん」の福間正浩はともに青年海外協力隊に参加した経験を持つ。出演はダンス&ヴォーカルユニット『EXILE』の黒木啓司、「ロストクライム-閃光-」の渡辺大、「ウルヴァリン:SAMURAI」のTAOほか。
  • ぼくたちの家族

    制作年: 2013
    「川の底からこんにちは」が第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に招待され、「舟を編む」で第86回アカデミー賞外国語映画賞日本代表作品に選出されるなど、国内外から注目される石井裕也監督が、早見和真の同名小説(幻冬舎文庫・刊)を映画化。脳腫瘍のため母が余命いくばくもないことがわかり、それまで見ぬふりをしてきた問題に真剣に向き合おうとする家族を描くヒューマンドラマ。結婚し独立した真面目な長男を「悪人」の妻夫木聡が、家族について諦めたような顔をする次男を「愛の渦」の池松壮亮が、病状が進行し隠していた本音を漏らす母を「愛を乞う人」の原田美枝子が、多額の借金を背負う父を「東京夜曲」の長塚京三が演じる。
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  • 疎開した40万冊の図書

    制作年: 2013
    第二次世界大戦中に東京・千代田区にある日比谷図書文化館等から約40万冊の蔵書を疎開させた人々の思いを追うドキュメンタリー。2012年に上映された「40万冊の図書」に変更を加えた作品。長岡空襲で被災し大学卒業後国立国会図書館で司書として勤務した経験のある阿刀田高、東京大空襲を経験した早乙女勝元の両作家や、蔵書疎開に参加した生徒、蔵書をかくまった土蔵の持ち主らの証言を通し、文化を守ろうとする必死の思いを浮かびあがらせる。監督は「パーフェクト9~ある身体障害者野球チームの記録~」「ある同姓同名者からの手紙」の金高謙二。「臨場 劇場版」「瀬戸内ムーンライトセレナーデ」の長塚京三がナレーションを担当。

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