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- 上田耕一
略歴 / Brief history
東京市板橋区(現・東京都板橋区)の生まれ。本名・山下耕一。都立井草高校を卒業後、新劇俳優を志し、1961年の『茶館』61で初舞台を踏む。以後『センターフォワード暁に死す』62、『大つごもり』63、『嬰児ごろし』64など年3本のペースで舞台に立つ一方、TBS『ウルトラセブン』68などに端役出演。74年、小峰元の『アルキメデスは手を汚さない』が原作の日本テレビ『女子高校生殺人事件』の主要キャストに選ばれ、以降、活動の中心をテレビドラマに移す。映画は端役が数本あるのみだったが、82年、にっかつ(現・日活)の三浦朗プロデューサーの推薦で根岸吉太郎監督「キャバレー日記」に出演。売り上げ全国一を目指すキャバレー店長役をコミカルに怪演して評判をとり、40歳を過ぎて本格的に映画界に転身、ロマンポルノを中心に出演を重ねる。88年のロマンポルノ終了後は、どんな役にも馴染む柔軟性のある演技を買われて、さらに幅広く活躍。大森一樹監督のほか、金子修介、伊丹十三、中原俊、渡邊孝好など80年代にデビューした中堅監督の作品で重用され、平成「ゴジラ」シリーズには政府高官から村長まで毎回さまざまな役で12作品すべてに出演した。近年は、緒方明監督「のんちゃんのり弁」09の写真店店主、小沼雄一監督「結び目」10の認知症の義父など、助演を地道に続けてきたキャリアが得難い深みを醸し出す好演が続いている。
上田耕一の関連作品 / Related Work
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少年(2024)
制作年: 2024CMディレクターとして活動し、1985年にシナリオ『助監督』で第11回城戸賞に入賞を果たした旦雄二が監督した青春ドラマ。1999年国旗国歌法強行採決抗議デモの実景ショットからクランクインし、25年の時を経て追加シーンを加えて完成させた。どこにも居場所がない高校生ジュンは、国旗国歌法成立直後の卒業式でたまたま起立斉唱しなかったことが政治行動と決めつけられる……。2001年にモデルとしてデビュー、本作のクランクイン後に「ロストパラダイス・イン・トーキョー」に出演、「水平線」では長編監督に挑んだ小林且弥が孤独な少年ジュンを演じた。他の共演者はドラマ『GTO』の中村愛美、「プラトニック・セックス」の留奥麻依子。 -
残穢 ざんえ 住んではいけない部屋
制作年: 2016第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美のドキュメンタリー・タッチのホラー小説『残穢』(新潮社・刊)を、「白ゆき姫殺人事件」「ゴールデンスランバー」の中村義洋監督が映画化。あるマンションの一室で起こる奇妙な音の調査に端を発し、かつての住人たちが次々と事件を起こしていること、そして恐ろしい過去が浮かび上がってくる。事件を追う小説家を「ストロベリーナイト」の竹内結子が、部屋の住人である女子大生を「さよならドビュッシー」の橋本愛が演じるほか、モデル出身の坂口健太郎、「るろうに剣心」シリーズの滝藤賢一、「超高速! 参勤交代」の佐々木蔵之助らが出演。 -
ソ満国境 15歳の夏
制作年: 2015田原和夫が自らの体験を綴った著書『ソ満国境15歳の夏』を原作に、終戦後、ソ連・満州国境付近を彷徨った少年たちの過酷な逃避行を描いたドラマ。3000キロに及ぶロケハンを経て中国ロケを実施。出演は「るろうに剣心 京都大火編」の田中泯、これが遺作となった夏八木勲(「そして父になる」)、「東京家族」の柴田龍一郎。50点