上田耕一 ウエダコウイチ

  • 出身地:東京市板橋区(現・東京都板橋区)
  • 生年月日:1941/04/02

略歴 / Brief history

東京市板橋区(現・東京都板橋区)の生まれ。本名・山下耕一。都立井草高校を卒業後、新劇俳優を志し、1961年の『茶館』61で初舞台を踏む。以後『センターフォワード暁に死す』62、『大つごもり』63、『嬰児ごろし』64など年3本のペースで舞台に立つ一方、TBS『ウルトラセブン』68などに端役出演。74年、小峰元の『アルキメデスは手を汚さない』が原作の日本テレビ『女子高校生殺人事件』の主要キャストに選ばれ、以降、活動の中心をテレビドラマに移す。映画は端役が数本あるのみだったが、82年、にっかつ(現・日活)の三浦朗プロデューサーの推薦で根岸吉太郎監督「キャバレー日記」に出演。売り上げ全国一を目指すキャバレー店長役をコミカルに怪演して評判をとり、40歳を過ぎて本格的に映画界に転身、ロマンポルノを中心に出演を重ねる。88年のロマンポルノ終了後は、どんな役にも馴染む柔軟性のある演技を買われて、さらに幅広く活躍。大森一樹監督のほか、金子修介、伊丹十三、中原俊、渡邊孝好など80年代にデビューした中堅監督の作品で重用され、平成「ゴジラ」シリーズには政府高官から村長まで毎回さまざまな役で12作品すべてに出演した。近年は、緒方明監督「のんちゃんのり弁」09の写真店店主、小沼雄一監督「結び目」10の認知症の義父など、助演を地道に続けてきたキャリアが得難い深みを醸し出す好演が続いている。

上田耕一の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 少年(2024)

    制作年: 2024
    CMディレクターとして活動し、1985年にシナリオ『助監督』で第11回城戸賞に入賞を果たした旦雄二が監督した青春ドラマ。1999年国旗国歌法強行採決抗議デモの実景ショットからクランクインし、25年の時を経て追加シーンを加えて完成させた。どこにも居場所がない高校生ジュンは、国旗国歌法成立直後の卒業式でたまたま起立斉唱しなかったことが政治行動と決めつけられる……。2001年にモデルとしてデビュー、本作のクランクイン後に「ロストパラダイス・イン・トーキョー」に出演、「水平線」では長編監督に挑んだ小林且弥が孤独な少年ジュンを演じた。他の共演者はドラマ『GTO』の中村愛美、「プラトニック・セックス」の留奥麻依子。
  • 蜜のあわれ

    制作年: 2016
    老作家と変幻自在な金魚の少女の秘密の恋を綴った室生犀星晩年の幻想小説を、「シャニダールの花」の石井岳龍監督が映画化。老作家と暮らすコケティッシュな少女。彼女の正体は金魚だった。そこへ老作家への愛を募らせた幽霊が現れ……。無邪気な金魚の少女に「私の男」の二階堂ふみが、老境の作家に「HANA-BI」の大杉漣が、過去の女の幽霊に「さよなら渓谷」の真木よう子が扮し、不思議な恋物語を紡ぐ。脚本は「私の奴隷になりなさい」の港岳彦。
    50
  • 殿、利息でござる!

    制作年: 2016
    『武士の家計簿』の原作者・磯田道史の評伝『無私の日本人』の一編を基にした時代劇。困窮する宿場町を立て直すために、庶民が身銭を切って集めた大金を藩に貸し、得た利息を全住民に分配した実話を、「予告犯」の中村義洋監督が映画化。宿場町を守ろうと奔走する造り酒屋の主・穀田屋十三郎を「謝罪の王様」の阿部サダヲが、秘策を立てた菅原屋篤平治を「まほろ駅前多田便利軒」シリーズの瑛太が、十三郎の弟・浅野屋甚内を「悪人」の妻夫木聡が演じる。2016年5月7日より宮城先行公開。
    90
  • 残穢 ざんえ 住んではいけない部屋

    制作年: 2016
    第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美のドキュメンタリー・タッチのホラー小説『残穢』(新潮社・刊)を、「白ゆき姫殺人事件」「ゴールデンスランバー」の中村義洋監督が映画化。あるマンションの一室で起こる奇妙な音の調査に端を発し、かつての住人たちが次々と事件を起こしていること、そして恐ろしい過去が浮かび上がってくる。事件を追う小説家を「ストロベリーナイト」の竹内結子が、部屋の住人である女子大生を「さよならドビュッシー」の橋本愛が演じるほか、モデル出身の坂口健太郎、「るろうに剣心」シリーズの滝藤賢一、「超高速! 参勤交代」の佐々木蔵之助らが出演。
  • ソ満国境 15歳の夏

    制作年: 2015
    田原和夫が自らの体験を綴った著書『ソ満国境15歳の夏』を原作に、終戦後、ソ連・満州国境付近を彷徨った少年たちの過酷な逃避行を描いたドラマ。3000キロに及ぶロケハンを経て中国ロケを実施。出演は「るろうに剣心 京都大火編」の田中泯、これが遺作となった夏八木勲(「そして父になる」)、「東京家族」の柴田龍一郎。
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  • この国の空

    制作年: 2015
    「共食い」「ヴァイブレータ」など数々の名作の脚本を手がけてきた荒井晴彦が、「身も心も」以来となる監督を務め、芥川賞作家・高井有一が太平洋戦争末期の庶民の暮らしを繊細かつ大胆に描いた小説を映画化。日に日に戦況が悪化し不安な思いが去来する中、東京から妻子を疎開させた一人暮らしの隣人の世話をする少女が次第に女に目覚めていく様子を描く。婚期を迎えた少女を「私の男」の二階堂ふみが、赤紙を免れた隣人を「地獄でなぜ悪い」の長谷川博己が、少女の母親を「ヒマラヤ杉に降る雪」の工藤夕貴が演じる。終戦70周年記念作品。
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