市毛良枝 イチゲヨシエ

  • 出身地:静岡県田方郡修禅寺町
  • 生年月日:1950/09/06

略歴 / Brief history

静岡県田方郡修禅寺町の生まれ。1963 年に東京に移り、立教女学院高校、文学座付属演劇研究所を経て72 年に俳優小劇場研究所を卒業。この間の71 年、TBS の『木下惠介・人間の歌シリーズ/冬の華』でテレビドラマ初出演。童顔が買われて卒業後は舞台のほか、時代劇ドラマの娘役に声が掛かる。映画初出演は東宝の青春映画「さえてるやつら」73。これも女子高生役だった。山田洋次監督「同胞」75 などを経て映画で初の大きな役は、女優・左幸子の監督作「遠い一本の道」77。北海道ローカル線保線区員一家の人生を骨太に描いたもので、長女を演じた。地道に活動しつつ決定打のない状況が続いていた77 年、フジテレビ昼の帯ドラマであるライオン奥様劇場・嫁姑シリーズ『小さくとも命の花は』の主役になり、初井言榮の姑に仕える若妻役が評判を呼ぶ。嫁姑というドメスティックな人間関係をオープンな話題にした路線はお茶の間の支持を集め、初井とのコンビ作が84 年まで制作される。初々しい色気の新妻イメージで“ お嫁さんにしたい女優” と称され、バラエティ番組にも多数出演。パルコ西武劇場の舞台『ドラキュラ』79 では急遽の代役を受け、わずか16 時間の稽古で主役の穴を埋めて女優としての芯の強さも証明する。人気定着後は各局の単発ドラマ枠を総ナメし、主演・助演にフル回転の活躍を見せる。88 年に弁護士と結婚するがまもなく離婚。91 年、池田敏春監督のハードボイルド「MISTY」で「陽暉楼」83 以来久々に映画に出演する。ベストセラー童話を映画化した西河克己監督「一杯のかけそば」92 では、貧しい家族と交流を持つ蕎麦屋のおかみさんを温かく演じた。以降はフジテレビ『やまとなでしこ』00、TBS『ヤンキー母校に帰る』03、日本テレビ『瑠璃の島』05 など、テレビでも母親役、善意の隣人役が増え、映画でも「地雷を踏んだらサヨウナラ」99、「おっぱいバレー」09 などに同様の役で助演。見る人が持つ自身のイメージを崩さないまま出演作が相次ぐ稀有な安定感を保っている。登山家としても有名で、日本トレッキング協会理事をつとめるほか、環境問題について講演も行なっている。

市毛良枝の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 明日を綴る写真館

    制作年: 2024
    1966年にデビュー、名バイプレイヤーとして知られる平泉成の初の主演作である人間ドラマ。さびれた写真館を営むカメラマン・鮫島の写真に惹かれ弟子入りした太一は、客と対話を重ね客の心残りや後悔に向き合う鮫島を通し、自分に足りないものに気付いていく。あるた梨沙による同名漫画を、「20歳のソウル」を手がけた秋山純監督が映画化。無口なカメラマン・鮫島を平泉成が、華々しいキャリアを捨て鮫島に弟子入りする太一を男性アイドルグループ『Aぇ! group』のメンバー、佐野晶哉が演じるほか、佐藤浩市、吉瀬美智子、高橋克典、田中健、美保純、赤井英和、黒木瞳、市毛良枝らベテラン俳優陣が共演。
  • ラーゲリより愛を込めて

    制作年: 2022
    辺見じゅんのノンフィクション『収容所から来た遺書』を二宮和也主演で映画化。第二次世界大戦終結後、シベリアの強制収容所(=ラーゲリ)に抑留され、死と隣り合わせの日々を過ごしながらも、生きることを諦めず、仲間たちを励まし続けた山本幡男の半生を描く。共演は「大河への道」の北川景子、「流浪の月」の松坂桃李、「桜のような僕の恋人」の中島健人。監督は「とんび」の瀬々敬久。
    70
  • 望み

    制作年: 2020
    雫井脩介による同名サスペンス小説を「人魚の眠る家」の堤幸彦が映画化。妻と2人の子供たちと平和に暮らす一級建築士の石川一登。ある晩、高校生の息子・規士が帰宅せず、連絡も途絶えてしまう。そんななか、規士の同級生が殺害されたというニュースが流れる。出演は「決算!忠臣蔵」の堤真一、「マチネの終わりに」の石田ゆり子。
    92
  • 駅までの道をおしえて

    制作年: 2019
    直木賞作家・伊集院静の短編を「3月のライオン」の新津ちせ、「沈黙 -サイレンス-」の笈田ヨシらの出演で映画化した人間ドラマ。愛犬ルーがいなくなったことが受け入れられない8歳のサヤカは、一匹の犬に導かれ、大きな喪失感を抱えるフセ老人と出会う。監督は、映像制作プロダクション・ウィルコの代表を務め、メガホンを取った「臍帯」で第14回上海国際映画祭Asian New Talent Awardコンペティション部門審査員特別賞を獲得した橋本直樹。年齢や立場、種などを超えた交流を描く。
    58
  • 春を背負って

    制作年: 2014
    「鉄道員」「八甲田山」など日本を代表する名カメラマンであり、自らメガホンを取った「劔岳 点の記」では第83回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞などを受賞した木村大作が、笹本稜平の同名小説(文藝春秋・刊)を映画化。富山県の立山連峰を舞台に、父の遺した山小屋を継ぐ決意をした息子の成長と小屋に集まる人々との交流を描くヒューマンドラマ。父から遠ざかるように東京に出ていた息子を「マイ・バック・ページ」「デスノート」の松山ケンイチが、心に傷を持つ女性を「東京家族」「フラガール」の蒼井優が、父の友人を「20世紀少年」シリーズや「北の零年」の豊川悦司が演じる。主題歌は山崎まさよしの書き下ろし『心の手紙』。
    70
  • 神様のカルテ2

    制作年: 2014
    信州・松本を舞台に、若手内科医・栗原一止の成長を描いた「神様のカルテ」の続編。今回は、一止が旧友と再会するも衝突、最愛の妻に支えられながら尊敬する上司の意志を受け継いでいく姿が描かれる。前作に続き、深川栄洋が監督、櫻井翔、宮崎あおい、柄本明、原田泰造が出演、「カメレオン」の藤原竜也、「みなさん、さようなら」の濱田岳、「ゲゲゲの女房」の吹石一恵、「岳 ガク」の市毛良枝が新たなキャストとして加わった。