竹内力 タケウチリキ

  • 出身地:大分県佐伯市
  • 生年月日:1964年1月4日

略歴 / Brief history

大分県佐伯市の生まれ。県立佐伯豊南高校を卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に就職し、大阪・淡路支店に勤務するが2年半で退社。上京してスカウトされたのをきっかけに、芸能界に入る。1986年、片岡義男原作、大林宣彦監督の角川映画「彼のオートバイ、彼女の島」で、オートバイで旅をする主人公の青年・コオ役に抜擢され俳優デビュー。併映の角川春樹監督「キャバレー」にも顔を見せ、2作同時の映画初出演となった。当初は青春スターの趣で、大林監督「野ゆき山ゆき海べゆき」86、「日本殉情伝・おかしなふたり/ものくるほしきひとびとの群」88、大森一樹監督「『さよなら』の女たち」87などに出演するが、88年の黒沢直輔監督「ころがし涼太・激突!モンスターバス」では元暴走族のバス運転手役で主演、アクションも体当たりで演じる。テレビドラマにも進出し、NHK『ジェニーがやってきた』86、TBS『セーラー服通り』86、『ママハハ・ブギ』89、『天までとどけ』91、フジテレビ『このこ誰の子?』86、『炎の旅路』90、『101回目のプロポーズ』91などに相次いで出演した。92年、天王寺大・郷力也の人気コミックが原作のオリジナルビデオ『難波金融伝・ミナミの帝王』に主演。やくざからも一目置かれる大阪・ミナミの高利貸し・萬田銀次郎に扮し、それまでの二枚目イメージを覆した怪演を見せ、俳優としての大きな転機を迎える。同作は次々と続編が作られ、竹内も新たなファン層を開拓。93年にはOV版を手がけた萩庭貞明監督による劇場版も公開され、以後、OVと劇場版を往き来しつつ、2007年まで実に計60作が作られる長寿シリーズとなった。また、91年の長谷川計二監督「仁義」とその続編として製作されたOV版にも主演し、こちらも07年まで50作が作られる人気シリーズとなる。ほかにも、やくざもの、アクションなどを中心にOVの主演作が続々と作られ、『東京魔悲夜(マフィア)』95・96、『平成残俠伝』96~00、『熱血!二代目商店街』99、『俠道(おとこみち)』00~01、『全国制覇テキヤ魂』『実録・柳川組』01~02、『死刑確定』『MURAMASA/ムラマサ』04~06などがシリーズ化。多い時では年間20本以上ものOVに出演する驚異的な仕事ぶりで、90年代から00年代にかけてのOV界を牽引し、哀川翔と並んで“Vシネの帝王”とも呼ばれた。これらOVの世界から飛び出した才能である三池崇史監督とは「極道戦国志・不動」96などの劇場映画でも組み、99年からの「DEAD OR ALIVE」三部作では哀川翔と共演して、OV界の二大巨頭の揃い踏みも実現。深作欣二・深作健太監督「バトル・ロワイヤルⅡ/鎮魂歌」03、宮藤官九郎監督「真夜中の弥次さん喜多さん」05、堤幸彦監督「大帝の剣」07、松本人志監督「大日本人」07、山口雄大監督「激情版エリートヤンキー三郎」09など、自身のパブリックイメージをセルフパロディ的に拡大させた役も進んで演じるほか、一時の粗製乱造的なブームが落ち着いた近年のOV界でも、竹内だけは変わらずトップスターであり続ける。自らの企画・原案・主演による萩庭監督のOV『影の交渉人・ナニワ人情列伝』09~10は『ミナミの帝王』の匂いを受け継ぐ三部作で、11年の宮坂武志監督『極道・龍二』でも同じく企画・原案・主演をつとめる。テレビドラマはほかに、TBS『眠れない夜を数えて』92、『課長さんの厄年』93、『オトコの居場所』94、日本テレビ『まったナシ!』『風林火山』92、フジテレビ『君のためにできること』92、『傷だらけの女』99など。OV出演が膨大な量になった90年代中盤からはドラマ出演が極めて少なくなったが、09年のフジテレビ『あんみつ姫2』、NHK『陽炎の辻3/居眠り磐音・江戸双紙』を経て、11年のフジテレビ『全開ガール』では久々の連ドラ・レギュラー出演を果たした。一方で、笑いのセンスにも長けたところが重宝され、バラエティ番組やCMにもコンスタントに出演する。07年、竹内力の双子の弟というコンセプトで、歌手“RIKI”をセルフプロデュース。シングル『魁!ミッドナイト』でデビューした。

竹内力の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 本心

    制作年: 2024
    芥川賞作家・平野啓一郎がデジタル化社会の功罪を浮かび上がらせた同名小説を、「ぼくたちの家族」の石井裕也監督&池松壮亮のタッグで映画化したミステリー。母が自由死を選んだと知った朔也は、なぜ自ら死を望んだのか本心を知ろうとしてAIで母を蘇らせる。石井裕也監督と池松壮亮が組むのはドラマを合わせて9作品目。進化する時代に翻弄される朔也を池松壮亮が、朔也の母・秋子を「怪物」の田中裕子が、トラウマを抱える三好を「十二単衣を着た悪魔」の三吉彩花が演じる。
  • 月(2023)

    制作年: 2023
    実際の障害者殺傷事件を題材にした辺見庸による同名小説を原作に「茜色に焼かれる」の石井裕也監督が映画化。重度障害者施設で働き始めた元・作家の堂島洋子。職員による入所者への心ない扱いや暴力を目にする洋子だったが、それを訴えても聞き入れてもらえず……。出演は「湯を沸かすほどの熱い愛」の宮沢りえ、「PLAN75」の磯村勇斗、「翔んで埼玉」の二階堂ふみ、「658km、陽子の旅」のオダギリジョー。
  • 愛にイナズマ

    制作年: 2023
    石井裕也が松岡茉優と窪田正孝をダブル主演に迎えて贈るヒューマンドラマ。プロデューサーに騙され、映画監督デビューの夢が泡と消えた26歳の折村花子は、ふと立ち寄ったバーで出会った舘正夫と共に反撃を決意。10年以上音信不通だった家族の元を訪れる。共演は「シン・仮面ライダー」の池松壮亮、「窓辺にて」の若葉竜也、「春に散る」の佐藤浩市。
  • 名も無き世界のエンドロール

    制作年: 2021
    小説すばる新人賞を受賞した行成薫による同名小説を「累 かさね」の佐藤祐市監督が映画化。強い絆で結ばれた幼馴染みのキダとマコト。2人は10年もの歳月をかけて、表と裏それぞれの社会でのし上がり、ある女性に近づきプロポーズをしようとするのだが……。出演は「AI崩壊」の岩田剛典、「十二人の死にたい子どもたち」の新田真剣佑。
  • 茜色に焼かれる

    制作年: 2021
    石井裕也監督が、尾野真千子主演で撮り上げた激しくも切ない魂のドラマ。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした良子と中学生の息子・純平。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちを続ける良子だったが、それでも家計は苦しく、そのせいで純平はいじめにあっていた。共演は「君が世界のはじまり」の片山友希、「エルネスト」のオダギリジョー、「星の子」の永瀬正敏。
    90
  • 僕と彼女とラリーと

    制作年: 2021
    2021年、「FIA世界ラリー選手権(WRC)」の開催地となる愛知県豊田市・岐阜県恵那市を舞台に、ラリーを通して人生を歩みなおす若者と夢にチャレンジする人々の姿を描く物語。主演は「本気のしるし」の森崎ウィン。ヒロインは「おもいで写眞」の深川麻衣。父親との確執によって過去にとらわれ将来に迷う青年・北村大河を森崎ウィン、大河の幼馴染みで地元で自分らしく暮らすシングルマザー・美帆を深川麻衣が演じ、葛藤を抱えた若者が故郷の美しい自然と人々の温かさに触れながら、自身の夢と大切な絆を取り戻していく様子が繊細に描かれる。監督・脚本は「今日も嫌がらせ弁当」の塚本連平。豊田市出身のシンガーソングライター・加藤ミリヤが主題歌を担当している。