解説
芥川賞作家・平野啓一郎がデジタル化社会の功罪を浮かび上がらせた同名小説を、「ぼくたちの家族」の石井裕也監督&池松壮亮のタッグで映画化したミステリー。母が自由死を選んだと知った朔也は、なぜ自ら死を望んだのか本心を知ろうとしてAIで母を蘇らせる。石井裕也監督と池松壮亮が組むのはドラマを合わせて9作品目。進化する時代に翻弄される朔也を池松壮亮が、朔也の母・秋子を「怪物」の田中裕子が、トラウマを抱える三好を「十二単衣を着た悪魔」の三吉彩花が演じる。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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文筆家和泉萌香人工知能の発達や記憶というテーマをめぐって、二十世紀から今までさまざまな物語や映画がつくられてきた。本作では「自由死を選んだ母の本心」というミステリを出発点に「... もっと見る
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「本心」のストーリー
朔也(池松壮亮)は工場での勤務中に母(田中裕子)から電話を受ける。帰ったら大切な話をしたいというのだ。台風のなか家路を急ぐ朔也は、氾濫する川のそばに立つ母を見かける。助けようと思わず飛び込んだ朔也だったが、傷を負い一年もの間、昏睡状態に陥ってしまう。目を覚ますと、既に母は亡くなっていた。そして、母は「自由死」を選んだのだと聞かされる。幸せそうに見えた母が、なぜ自ら死を望んだのかわからない。どうしても母の本心が知りたい朔也は、仮想空間上に“人間”を作るVF(ヴァーチャル・フィギュア)という技術に頼る。開発者の野崎(妻夫木聡)が口にした「本物以上のお母様を作れます」という言葉に一抹の不安を覚えつつ、VF制作に必要なパーソナルデータを収集していく朔也。母の手掛かりを探すうちに、母の親友だったという三好(三吉彩花)と接触する。彼女は台風の被害に遭って避難所生活をおくっていた。朔也は三好を家に住まわせることにし、日常を取り戻していく。やがてVFの母が完成し、VFゴーグルを装着すればいつでも母に会えるようになる。そうして、朔也と三好とVFの母親という奇妙な共同生活が始まるが、VFは徐々に“知らない”母の一面”をさらけ出していく。
「本心」の映像
「本心」の写真
「本心」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「本心」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | SF サスペンス・ミステリー |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2024年11月8日 |
上映時間 | 122分 |
製作会社 | 映画『本心』製作委員会(製作幹事:ハピネットファントム・スタジオ/制作プロダクション:RIKIプロジェクト) |
配給 | ハピネットファントム・スタジオ |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | https://happinet-phantom.com/honshin/ |
コピーライト | (C)2024 映画『本心』製作委員会 |