記事
「かから始まるもの」の検索結果
(50件)
-
2022年に香港特別行政区設立25周年を記念して開催された〈香港映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力〉が、今年も行われる。新人監督作品からクラシックの名作まで多彩に取り揃え、イタリアのウディーネ、インドネシアのバリ、デンマークのコペンハーゲン、スウェーデンのストックホルムなど世界各地を巡回、日本では11月2日(木)~5日(日)にYEBISU GARDEN CINEMAで上映される。 注目はアーロン・クォック(郭富城)とトニー・レオン(梁朝偉)が初共演し、2022年度アカデミー賞国際長編映画賞部門の香港代表作品に選ばれた犯罪ドラマ「風再起時」で、ジャパンプレミア上映となる。作品ラインナップや来日ゲストは後日発表。 〈香港映画祭2023 Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力〉 日程:11月2日(木)~5日(日) 会場:YEBISU GARDEN CINEMA 公式サイト:https://makingwaves.oaff.jp/ 主催:香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部、香港国際映画祭協会 協力:大阪アジアン映画祭 助成:香港特別行政区政府 創意香港、電影発展基金 「風再起時」 出演:アーロン・クォック、トニー・レオン、パトリック・タム、リチャード・ン、マイケル・ホイ 監督:フィリップ・ユン 原題:風再起時 英題:Where The Wind Blows 汚職が横行した暗黒時代である1960〜70年代の香港を舞台に、実在した汚職警察官を描いたクライム・サスペンス。トニー・レオンが2023年アジア・フィルム・アワード最優秀主演男優賞、「Mr.BOO!」シリーズで知られるマイケル・ホイが2023年香港電影金像奨最優秀助演男優賞を受賞。
-
竹内涼真主演で、ゾンビ世界でのサバイバルを描いたドラマ『君と世界が終わる日に』が映画化。「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」のタイトルで、2024年1月26日(金)より公開される。高橋文哉と堀田真由の出演が発表され、ティザービジュアルと特報映像が到着した。 人間を喰らう “ゴーレム(=ゾンビ)” に支配された日本。間宮響(まみや・ひびき/竹内涼真)は事態に戸惑いながらも、恋人の小笠原来美(おがさわら・くるみ/中条あやみ)を守るため、仲間たちと共に戦ってきた。 だが来美はゴーレムウィルスに感染し、娘のミライを出産して死んでしまう。 そんなミライも何者かに連れ去られ、絶望で闇落ちしていく響。ただ一つ残された希望は、“ユートピア” と呼ばれる都市だった。そこには2棟のタワーがそびえ、一方には上流階級の人々が暮らし、他方の最上階ではワクチン開発が行われている。そこにはゴーレムウィルスの抗体を持つミライが、研究材料として捕らわれていた。響は救出に向けてタワーを登ろうとするが、数々の試練が待ち受け……。 高橋文哉はぶっきらぼうだが男気あふれるとび職人の柴崎大和(しばさき・やまと)、堀田真由は大和の幼なじみで優しくも芯の強い看護師・羽鳥葵(はとり・あおい)を演じる。 監督は「ブラック校則」『美食探偵 明智五郎』『霊媒探偵・城塚翡翠』の菅原伸太郎、脚本は『下町ロケット』『半沢直樹』「七つの会議」『それってパクリじゃないですか?』の丑尾健太郎が担当。 〈コメント〉 竹内涼真 文哉くんは凄く気持ちのいい人で、見ていてとても清々しかったです。 持っている熱量と突き抜けていくパワーがカッコよくて、「きみセカ」にはその熱さが欠かせません。 大和役にも凄くハマっていたので、引き受けてくれて嬉しかったです。 堀田さんは、可愛らしく柔らかい雰囲気を纏っていますが、お芝居では強い意志が出る瞬間が結構あって、とても頼もしく感じました。 あとは、この2人のシーンにめちゃくちゃきゅんきゅんしちゃいました(笑) 是非こちらにも注目して頂きたいです。今回はシリーズの集大成となるファイナルプロジェクトです。 これまでの中でも最高の作品にするために、チーム全員命懸けで撮影に臨みました! 是非劇場で皆さんにお会いできる日を僕も楽しみにしています。 高橋文哉 Season1をやっていた時から観ていた作品なので、出演が決まった時は素直にすごく嬉しかったです。 この作品の本をいただいた瞬間に、今まで見せたことのない僕の顔・芝居・声をこの作品で届けたいと思いました。 真っすぐで男気溢れる役柄は、演じたことがなかったので正直最初は不安でしたが、監督や竹内涼真さんにたくさん助けていただきました。 作品にも人にも役にも愛がある涼真さんのようになりたいと思って、現場で少しずつ真似をしていたら、周りから似てきたねって言ってもらえて嬉しかったです。(笑) 今まで作ってきたスタッフさんやキャストの皆さんと共に大切に演じましたので、是非存分に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。 堀田真由 これまでドラマ、Huluで配信されていることはもちろん知っていたので映画化と聞いたときは、驚きと共に「きみセカ」の集大成となる作品となるのかなと思いました。 そんな大事な部分で葵という素敵な役を演じさせていただけることに喜びと少しの責任を感じました。 今回、葵は幼馴染の大和とはぐれてしまうこととなるのですが、本当だったら心が折れそうな瞬間が何度もあったと思うんですけど、それを見せない彼女の強さを出せたらいいなと思いながら演じさせていただきました。 これまでドラマやHuluを観てくださっている方も劇場版から観ていただく方も楽しめる作品となっています。300人くらいのエキストラの皆さんと一緒に演じた映画ならではのスケールの大きいシーンもあるので、楽しみにしていただけたらいいなと思っています。 鈴木亜希乃プロデューサー 見たことがないものを見せる、それがきみセカのモットーです。 バカみたいに熱い男・大和には、これまで繊細な役が多かった高橋文哉さんを。 まっすぐで芯の強い女・葵には、柔らかく可愛い印象の強かった堀田真由さんを。 これまでのイメージにない、新たな化学反応が見たく、そのためにはこの2人しかいないと思いました。 さらにきみセカで一番重要なのは、響を演じる竹内涼真さんとやり合えるかどうかなのですが…… 2人とも竹内さんと、期待以上の、熱く素晴らしいお芝居を見せてくれました! 劇場版きみセカ──ファンの皆様の期待に応えられるような、シリーズ最高の作品となっています。 きみセカの集大成を、そして間宮響の人生を、ぜひ最後まで見届けてください! 「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」 出演:竹内涼真、高橋文哉、堀田真由 監督:菅原伸太郎 脚本:丑尾健太郎 配給:東宝 製作プロダクション:日テレ アックスオン ©2024「君と世界が終わる日に」製作委員会 映画公式サイト: https://kimiseka-final.jp
-
義足の高校生モデルが前を向く。緒方貴臣監督&伊礼姫奈主演「シンデレラガール」
2023年9月4日「子宮に沈める」(13)「飢えたライオン」(17)の緒方貴臣監督が、義足の高校生モデルおよびマネージャーが《義足は障がいの象徴》という見方を変えてポジティブになっていく姿を描く「シンデレラガール」が、11月18日(土)より新宿K’s cinemaほかで全国順次公開。ポスタービジュアルが到着した。 義足のモデル・音羽役には「推しが武道館いってくれたら死ぬ」で主人公の推しを演じた伊礼姫奈。音羽の人生に大きな影響を与えるファッションデザイナーの五十嵐役には筒井真理子。 そしてマネージャーの唯役で「たまつきの夢」の辻千恵、看護師の桜役で『個人差あります』の泉マリン、医師の内藤役で「私もただの女の子なんだ」の太田将熙、母の多佳子役でベテランの輝有子が出演。さらに音羽の仲良しグループのメンバーを佐月絵美、三原羽衣、田口音羽といったフレッシュな面々が演じる。 撮影は「飢えたライオン」でも緒方監督とタッグを組んだ根岸憲一。監修を進行性筋ジストロフィー(PMD)と診断されたモデルの森山風歩らが行う。 男性依存願望=〈シンデレラコンプレックス〉を持つ前時代的女性像へのアンチテーゼとなる本作。魔法も白馬の王子様も要らない、現代のシンデレラに注目だ。 〈コメント〉 主演:伊礼姫奈 初めて監督とお会いした時から、監督の持っている世界観に惹かれました。それと同時に、その広がる世界に自分がついて行くことが出来るのか不安もありましたが、丁寧に言葉で伝えてくださり、分からないところは一緒に答えが出るまで考えてくださる姿に安心を覚えました。のびのびと音羽を等身大で演じることが出来たと思います。 「義足」という今まで演じたことの無い、難しいテーマではありましたが、当事者の方にお話をお伺いしたり、沢山勉強して撮影に挑みました。映画に散りばめられたメッセージを劇場で受け取っていただけたら嬉しいです。 監督・共同脚本:緒方貴臣 これまでの作品は、「胸糞悪い映画」とか「2度と観たくないけど、みんなに観てほしい映画」などと言われ続けてきました そういった作品を特に目的にしていたわけではなく、それぞれの題材に合った構造と描き方をした結果でした そして、新作「シンデレラガール」も、その題材にふさわしい作りをしています 今までの作品とは違うアプローチ、試みをしていますので、 この映画がどのように受け止められるのか今から大変楽しみです 緒方貴臣版「シンデレラ」をぜひ劇場で体感してみてください! Story 12歳の時に病気で⽚脚を切断した音羽。その後も⼊退院を繰り返し、中学校の卒業式にも参加できなかった。そんな⾳⽻のために、クラスメイトたちがサプライズの卒業式を病院の屋上で実行。その動画がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが舞い込む。だが義足のモデルという特異性から一時的に注目されただけで、その後の仕事は義⾜を隠したものばかりだった。 そんな中、マネージャーの唯は義足のファッションブランドで「義足を障がいの象徴でなく、個性として捉えてほしい」という理念を聞き、⼼を動かされる。義⾜をもっと押し出そうと決める音羽と唯。やがてファッションショー出演のチャンスが訪れるが……。 「シンデレラガール」 出演:伊礼姫奈、辻千恵、泉マリン、太田将熙、輝有子、佐月絵美、三原羽衣、田口音羽、山本海里、梶刀織、アライジン、小関翔太、イトウハルヒ、中村颯夢、嶋貫妃夏、筒井真理子 監督:緒方貴臣 脚本:脇坂豊、緒方貴臣 撮影監督:根岸憲一 照明:佐藤仁 録音・MA:岸川達也 助監督:中根克 美術:ぐちこ、榎本桜 スタイリスト:後原利基 ヘアメイク:Risa CHINO 小道具:伊藤由紀 編集:澤井祐美 音楽:田中マコト、菱野洋平(WALL) 制作:杉山晴香、箱田准一、長谷川穣 義足監修:臼井二美男 グラフィックデザイン:木下デザイン事務所 プロデューサー:榎本桜、緒方貴臣、塩月隆史、杉山晴香、夏原健、森山風歩 製作:paranoidkitchen、リアルメーカーズ、ラフター 配給:ミカタエンターテイメント 2023年/日本/カラー/16:9/5.1ch/61分 ©2023映画「シンデレラガール」製作委員会 公式サイト:https://cinderella-girl.paranoidkitchen.com/ -
自身のルーツであるロマの文化や音楽に焦点を当て、躍動感あふれる作品を生んできたトニー・ガトリフ監督。そのフィルモグラフィを彩る2本、「ジャム DJAM」(2017)と「ガッジョ・ディーロ」(1997)が、9月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 「ジャム DJAM」は、エーゲ海の大衆音楽に彩られた自由奔放なガールズ・ロードムービー。音楽とダンスをこよなく愛するギリシャ人女性のジャムは、レスボス島でレストランを経営する元水兵の継父、カクールゴスとふたりで暮らしている。ある日、船のエンジン部品を調達すべくトルコ・イスタンブールへ出かけた彼女は、フランスから難民支援のボランティアに来たアヴリルと出会う。喧嘩と出会いと涙と笑いあり、そして音楽にあふれた、ふたりの波乱万丈の旅が始まった──。 ジャムを演じるのは「ベネデッタ」「ファイブ・デビルズ」のダフネ・パタキア。ギリシャのブルーズともいわれる音楽《レンベティカ》で自ら歌唱し、演奏やベリーダンスも披露する。カクールゴス役には「007/カジノ・ロワイヤル」「レストレス」のシモン・アブカリアン。 「ガッジョ・ディーロ」は、ロマの音楽とともに紡ぐ異文化コミュニケーションの物語。父が遺したカセットテープを頼りに、幻の歌姫を探すフランス人青年のステファンは、ロマの村に辿り着く。村人はよそ者に冷たく接するが、酔いどれの老楽士イジドールはなぜか彼を気に入り、自宅に滞在させることに。父が愛したロマの音楽、パワフルな女性サビーナとの恋……。 村の生活と文化に触れ、徐々に受け入れられていくステファンだったが、事件が起きる──。 色鮮やかな衣服や花の香りを纏った女性たちのダンスと歌声、楽士イジドール・サーバンをはじめとする男たちの力強い演奏はまさに圧巻で、ロマの歴史と過酷な状況を鮮烈に描き出す。ステファンを演じるのはロマン・デュリス、サビーナ役には歌手としても活躍するローナ・ハートナー。映画はロカルノ国際映画祭で銀豹賞や主演女優賞など5部門、モントリオール世界映画祭で特別賞を受賞。このたびデジタルリマスター版でスクリーンに甦る。 「ジャム DJAM」 監督・脚本:トニー・ガトリフ 出演:ダフネ・パタキア、シモン・アブカリアン、エレフセリア・コミ、ヤニス・ボスタンツォーグロウ 撮影:パトリック・ギリンゲッリ 編集:モニック・ダルトンヌ 音楽:フィリップ・ウェルシュ 2017年/フランス・ギリシャ・トルコ/カラー/97分/原題:DJAM © 2017 Princes Productions - Pyramide Productions - Auvergne-Rhône Alpes Cinéma ‒ Blonde - Güverte Films ‒ Princes Films 「ガッジョ・ディーロ」 監督・脚本・音楽:トニー・ガトリフ 出演:ロマン・デュリス、ローナ・ハートナー、イジドール・サーバン 撮影:エリック・ギシャール 編集:モニック・ダルトンヌ 美術:ブリジット・ブラッサール 1997年/フランス・ルーマニア/カラー/100分/原題:Gadjo Dilo © Princes Films 1997 公式HP(2作品共通):tonygatlifilm2023.jp
-
小芝風花演じる破天荒なやさぐれヒロインが我が道を突っ走る姿と、彼女を取り巻く仲間たちのラジオを舞台に巻き起こす日々を描き話題を呼んだドラマ、『波よ聞いてくれ』のDVD-BOXが9月6日にリリースされる。恋愛、ホラー、アクション…何でもありの刺激的なコメディーとして回を重ねながら、一方で災害時にラジオが果たした大きな役割──日常に引き寄せる“お守り”、についても描いてみせた。9月1日の「防災の日」に思いを傾けながら、本作の魅力について語ってみよう。 フルイメチェンの小芝風花と、ラジオを愛する人々を演じるキャスティングが◎ 時代の移り変わりにより淘汰されるもの/されないものの線引きはどこにあるのだろう? ラジオ業界を舞台にした小芝風花主演のテレビドラマ『波よ聞いてくれ』を観ながら、そんなことをずっと考えていた。 音楽を聴くためのツールを例にとれば、筆者はレコード、カセットテープに始まり、CD、MDを経て、現在主流のストリーミングという変遷を経験してきた世代なのだが、昨年度のレコード販売枚数がCDを上回ったと聞いて驚いた。しぶとく廃れず、むしろ時代と逆行するように復権を果たしているのは、音楽を聴く喜びの原点のようなものがレコードにはあるからかもしれない。“しぶとく廃れない”といえば、ラジオも同様。このドラマにもラジオを「オワコン」呼ばわりしつつ、しぶとく奮闘し続ける熱き者が多数登場する。 原作は『月刊アフタヌーン』連載中の、沙村広明による同名漫画。2020年の「マンガ大賞」では第4位にランクインし、アニメ化もされた人気作だ。付き合っていたダメ男にフラれたあげく金も騙し取られた主人公・鼓田ミナレが、ひょんなことからラジオパーソナリティーとしての才能を開花させていく、コメディーであり熱血ヒューマンなお仕事ドラマであり時々ホラーでもあり…の要素てんこ盛りの全8話! 題材になりがちなテレビ業界に比べ知られていない(?)ラジオ局での激動の日々をあえてテレビドラマで描くという試みも、意外となかった目のツケドコロ。 注目点は数あるなか、まずどうしたって特筆すべきは、主演・小芝風花のイメチェンぶりだ。そもそも破天荒でやさぐれ、金髪にややドスの利いた声でマシンガントークをぶちかますミナレからは、真逆といっていいほどイメージの異なる小芝。人気原作の主人公としてミナレのキャラクターは広く知られていただけに、当初は意外なキャスティングと思われていたが…やってくれた! とにもかくにも百聞は一見に如かず。小芝演じるミナレをぜひ目の当たりにして、彼女の女優魂に度肝を抜かれていただきたい。余談だが、テレビ放送時には小芝出演の某麦茶CMが合間に流れており(DVDには当然収録されておりません)、「本当に同一人物!?」と、我ながら飽きもせず毎回驚愕していたことを思い出す。そんなキャラクター作りだけでなく、ミナレを演じるには噛まずに延々マシンガントークを続けられるスキルが必要だが、この点もアッパレ。なお今回収録される特典映像の中で、小芝の台詞量は全話合計2234行(!)にも及び、本番前には『外郎売』を唱えて滑舌を鍛えていたというエピソードが明かされている。 ミナレを取り巻く人々も、しっかり練られた良キャスティング。ミナレをラジオ業界に導くチーフディレクター・麻藤に北村一輝、ミナレの相棒的存在で同居人でもあるAD・瑞穂に「すずめの戸締まり」で注目された原 菜乃華、酸いも甘いも噛み分けたベテラン放送作家・久連木に小市慢太郎、一筋縄ではいかない先輩ラジオパーソナリティー・まどかに平野 綾。「オワコン」と口では言いながらラジオにしかない自由を愛し、距離の近いリスナーと真摯に向き合う彼らの姿勢に、ミナレは次第に感化されていく。ラジオ局の面々以外にも、ミナレがアルバイトしているスープカレー店「VOYAGER」の同僚・中原に片寄涼太(GENERATIONS)、突如現れる謎の美女でラジオの構成作家志望の城華に中村ゆりか、ミナレと毎回バトる店長(筆者イチ推しキャラ)に西村瑞樹(バイきんぐ)ら。特典映像にはスピンオフドラマ2作──TELASAオリジナルで配信された中原と城華の共同生活をメインに描く『波風よ立ってくれ』と、TVerオリジナルで配信された瑞穂フィーチャーの『荒波よ揉んでくれ~南波瑞穂のAD奮闘記~』を収録。ミナレ以外の愛すべきキャラクターたちの魅力もじっくり味わってもらいたい。 即時性と、時に“お守り“の役割を果たすラジオ スープカレー店アルバイト兼、ド深夜ながら冠番組『波よ聞いてくれ』を持つラジオパーソナリティーとして活動することになったミナレ。「行き当たりばったり」がモットーの番組内容に従い、幽霊騒ぎ、ひきこもり問題、刃傷沙汰、人気カップルインフルエンサーの炎上…などなど、さまざまな事態に自ら首を突っ込んでいきながらワイワイと回は進んでいくのだが、最終話ではその色を若干変える。放送を控えた夜に、突然の大地震が発生するのだ。停電に見舞われ、非日常と暗闇が街全体を覆うなか、「こういう時だからこそ、お前の声をラジオで届ける意味があるんだよ」と、麻藤は『波よ聞いてくれ』の通常放送をミナレに命じる。休みなくぶっ通し、電気復旧まで続くミナレのマシンガントークが、不安に包まれた街を鼓舞し…。 東日本大震災を例に出すまでもなく、災害時においてラジオは大きな役割を果たす。即時性ある情報を得るメディアとして、そして、非日常に怯えるメンタルを少しでも日常に引き寄せる“お守り”として。物理的には遠く遠く離れているのに、ラジオの声はまるですぐそこから聴こえてくるように感じるのはなぜなのだろう。数多くあるSNSによって繋がっているように錯覚させられるが、実はたいして繋がっていない人間関係の希薄さに気づいているはずの現代人。一方で、ラジオから聴こえてくる声の温もりには、人と人が繋がる心地よさの原点のようなものが確かにある。そんなコアの部分がなくならず、ミナレや麻藤のようにマイクの向こうで奮闘してくれる人たちがいる限り、ラジオはきっと淘汰されない──確信と願いをもって、全話を見終えた。 文=武田吏都 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=Li9kYIXSrlE 『波よ聞いてくれ』 ●9月6日(水)DVD-BOX発売(レンタルDVD同時リリース) ▶DVDの詳細情報はこちら ●DVD-BOX:20,900円(税込) 【封入特典】 ・スペシャルリーフレット 【映像特典】(95分) ・制作発表記者会見 ・秘蔵メイキング集 ・鼓田ミナレこと小芝風花のラジオ『波よ聞いてくれ』特別ver. ・TELASAオリジナルスピンオフドラマ『波風よ立ってくれ』 ・TVerオリジナルスピンオフドラマ『荒波よ揉んでくれ~南波瑞穂のAD奮闘記~』 ・公式SNS動画集 ・PRスポット集 ※レンタルには収録されません ●2023年/日本/本編378分+特典映像95分 ●出演:小芝風花、片寄涼太(GENERATIONS)、原 菜乃華、中村ゆりか、平野 綾、西村瑞樹(バイきんぐ)、井頭愛海、中川知香、小市慢太郎、北村一輝 ●原作:沙村広明『波よ聞いてくれ』(講談社「月刊アフタヌーン」連載) ●脚本:古家和尚 ●演出:住田 崇、片山 修、植田 尚 ●音楽:林 ゆうき、山城ショウゴ ●主題歌:マカロニえんぴつ『愛の波』(TOY'S FACTORY) ●企画協力:古賀誠一(オスカープロモーション) ●エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日) ●プロデューサー:高崎壮太(テレビ朝日)、神通 勉(MMJ) ●制作:テレビ朝日 MMJ ●発売元:テレビ朝日 販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©沙村広明/講談社/テレビ朝日・MMJ