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カンヌ受賞のアスガー・ファルハディ新作「英雄の証明」、著名人コメント到着
2022年3月16日ベルリンとカンヌの両国際映画祭で数々の賞に輝き、「別離」と「セールスマン」で米アカデミー賞外国語映画賞を2度も制した巨匠アスガー・ファルハディの新作「英雄の証明」。その4月1日(金)公開を前に、世界の映画監督をはじめ、ジャーナリスト、作家、ゲームクリエーターなど各界著名人から称賛コメントが到着。新ビジュアルも解禁された。 第74回カンヌ国際映画祭グランプリ&フランソワ・シャレ賞、第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー脚本賞、外国語映画賞などを受賞し、第79回ゴールデングローブ賞非英語映画賞にノミネート、本年度米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストに選出された「英雄の証明」。 倫理観という普遍的テーマの追求にあたり、今回ファルハディが着目したのはSNSやメディアの絶大な影響力だ。振れ幅の大きな主人公の運命を通し、真実の曖昧さや社会に潜む欲望とエゴをあぶり出す、予測不可能なヒューマン・サスペンスに仕立て上げた。 コメントを寄せたのはジョージ・ミラー、ギレルモ・デル・トロ、ルカ・グァダニーノといった映画監督をはじめ、作家の赤川次郎、フリーアナウンサー久米宏、ライター武田砂鉄、ジャーナリスト堀潤、国際政治学者の三浦瑠麗ほか著名な面々。以下に掲出する。 ジョージ・ミラー監督(『マッドマックス怒りのデス・ロード』) 「英雄の証明」は徹底して重層的だ。作品の世界に没頭してしまう素晴らしい映画体験。 登場人物と一緒にいるかのように感じるほど自然に、彼らの個人的な話が普遍的な物語になっていく。世界中どこにいても、この作品で起こる問題を理解できない人はいないだろう。 ギレルモ・デル・トロ監督(『シェイプ・オブ・ウォーター』) 主演アミル・ジャディディの演技は、驚くほど真に迫っている。 ルカ・グァダニーノ監督(『君の名前で僕を呼んで』) 信じられないほど優れた脚本だ。監督が生み出す複雑な登場人物やシチュエーションは「創作の奇跡」といえるだろう。アスガー・ファルハディ監督の作品は、我々の時代のマスターピースだ。 三浦瑠麗(国際政治学者) ファルハディ監督の人間に対するアプローチは信頼がおける。 「セールスマン」はわたしにとって心にくい込んで忘れられない作品だったが、これも忘れられなくなりそうだ。何度も見返すだろう。 西川美和(映画監督) 嫌な予感がする。 金貨を拾った主人公は、思うようにそれを利用できない。しかしそのおかげで取り巻く世界が明るくなっていく──それがすでに、猛烈に恐ろしい。やめとけ。ファルハディの前でその展開はマズい。ろくな目に遭わない!! 終わってみたら、汗びっしょり。イラン固有の背景を舞台にしながら、人間の本質の描写には、世界とミリ単位のズレも感じさせず、SNSに絡め取られる現代の狂騒を容赦無く盛り込んで行く。綿密なストーリーテリングと、最小にして誰にでも伝わる演出。世界のレベルはこれほど自分と違うのかという意味でも、心臓が疲弊します。 武田砂鉄(ライター) 私たちは今、評価が一気にひっくり返る社会を生きている。 この映画に映る、ほぼ全員が困惑している。喜怒哀楽のそれぞれに戸惑いが滲んでいる。 でも、それが、今、この時代を生きる上での前提になっている。 赤川次郎(作家) これは「完全な人間はいない」という単純な真実の物語である。小さな善行、小さな愚行を、SNSがその人のすべてとして色分けしてしまう。同じことをしていないかと自分に問いかける、秀作。 小島秀夫(ゲームクリエイター) ミニマムな日常と、独自の慣習を描き、世界を共感させて来たアスガー・ファルハディ。国際映画人として羽ばたいた彼が原点回帰し、「別離」を凌ぐ才能の“証明”を本作で魅せた!個人が意図せぬうちに“英雄”は量産され、消費され、瞬く間に葬られる。世界の何処にいようとSNSからは逃れられない現代人こそは、ラストでしばらく席を立てないはずだ。 久米宏(フリーアナウンサー) 村上春樹原作の映画では北欧製の赤いクルマが走っている このイラン映画では 主人公はMAZDAに乗っている しばらく観ていると イランなのか日本なのか分からなくなる そっくりなのだ。 佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト) 誰かを吊し上げ、弾劾し、職を奪う行為は日本のSNSでも蔓延している。そういう行為を当然だと思っている人たちにこそ本作を観てほしい。それは人生に取り返しのつかない事態を招くことを。 堀潤(ジャーナリスト) 今、戦争の真っ只中にある。視界に飛び込む「善と悪」との衝突が世界をさらに分断に追い込む。しかし、私は本当に考えているだろうか。知ろうとしているだろうか。みているだけでは翻弄される。みているだけでは私たちも加害者になる。責任を持つのだ。そのために、この映画は今こそ必要だ。 伊藤詩織(ジャーナリスト) 名誉なんて誰かが勝手に与えるラベルでしかない。自分自身に真実に生きる、それが彼の選んだ道なのだ。自分自身に名誉を送るために。 北村道子(スタイリスト) アスガー・ファルハディの脚本は今のメディアの有り様を警告しているリアルな現実である。 宇野維正(映画ジャーナリスト) 他者からの評価が貨幣となる時代の危うさについての巧みなストーリーテリング。扉と窓の描写にこだわりぬく「映像の魔術師」としての芸術性。アスガー・ファルハディはまたしても現代最高の映画作家の一人であることを証明した。 (C)2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinema ▶︎ 「英雄の証明」の第1弾記事はこちら -
“シネ・エッセイ”の作家クリス・マルケル、没後10周年の特集上映
2022年3月16日“シネ・エッセイ”の作家として知られ、世界中のクリエイターに多大な影響を与えたクリス・マルケル。その没後10周年を記念した特集上映が、5月27日(金)よりアップリンク吉祥寺で開催。期間中にトークイベントも予定されている。 記憶と記録、歴史と個人史、戦争、虚構と現実── 永遠に消えることのないテーマで数多くの作品を発表したクリス・マルケル。フィルム、写真、本、ビデオ、ゲームなど多様なメディアを自在に使って完成させた作品は優雅にして詩的であり、2012年の没後も創作者たちに影響を与え続けている。 クリス・マルケル Chris Marker(1921年7月29日~2012年7月29日) パリ生まれの映画作家/プロデューサー/写真家など。サルトルの許で哲学を学ぶ。第二次世界大戦中、ナチスに対するレジスタンスに参加。「夜と霧」(1955年)でアラン・レネの助監督を務める。「12モンキーズ」(1995年)のテリー・ギリアム監督をはじめ、影響を受けた者は多数。監督以外にも、「ベトナムから遠く離れて」(1967年)でプロデューサーを務めるなど、多彩な作品に寄与した。数回来日もしている。 【上映予定作品】 「北京の日曜日」(1956年/フランス/カラー/DCP/20分) ある日曜日のスケッチとして革命後の北京の人々や風景を鮮やかに描いた初期短編。 「シベリアからの手紙」(1958年/フランス/モノクロ/DCP/61分) 開発途上のシベリアの街と風景や人々の様子をアニメーションやアーカイブ映像を挿入しつつ書簡形式のナレーションで描く。 「ある闘いの記述」(1960年/イスラエル=フランス/カラー/DCP/57分) 1961年ベルリン国際映画祭ドキュメンタリー部門金熊賞 1948年の建国以来12年を迎えたイスラエルの複雑な現実を描く。第三次中東戦争以降、マルケル自身によって上映禁止に。 「イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独」(1974年/フランス/カラー/DCP/60分) チリ難民支援コンサートのためにリハーサル中のイヴ・モンタンを映す。 「サン・ソレイユ」(1982年/フランス/カラー/DCP/104分) 1983年ベルリン国際映画祭OCIC特別賞/1983年英国映画協会賞サザーランド賞/2014年シネマ・アイ・オナーズ他 世界を旅するカメラマンから届いた手紙を朗読する女性。日本とアフリカ、記憶や旅をテーマに、フィクションやドキュメンタリー、哲学的考察が混在したマルケルの代表作の1本。 「レベル5」(1997年/フランス/カラー/DCP/110分) ローラは亡くなった恋人の仕事を引き継ぎ沖縄戦についてのコンピュータ・ゲームを完成させようとする……。仮想空間の中に現実と虚構が交錯するマルケル晩年の問題作。 公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/ChrisMarker/ -
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中島健人&松本穂香、ホワイトデーにエモいオフショット解禁!「桜のような僕の恋人」
2022年3月14日宇山佳佑のベストセラー恋愛小説を原作とする、主演・中島健人×ヒロイン・松本穂香のNetflix映画「桜のような僕の恋人」が2022年3月24日に配信。カメラマンを目指す青年と難病を発症した女性美容師の、桜のように儚くも美しい恋模様を描く。 3月14日のホワイトデーに合わせ、中島健人と松本穂香のエモすぎるオフショットが解禁。公園の遊具につかまった幸せそうなふたりや、陽光に包まれて優しい瞳を向ける松本など、自然な姿が切り取られている。 さらにInstagramでは「桜のような僕の恋人」オリジナル“桜フィルター”が登場。記念すべき第1弾投稿は中島健人×松本穂香。フィルターを使って一足早いお花見気分を味わえる。 ▼詳細はこちら https://www.instagram.com/netflixjp/ 元々原作の大ファンであり、トップアイドルのオーラを消し去って素朴で生真面目な主人公を演じた中島。人の何十倍もの速さで老いていく難病に冒されたヒロイン役に正面から向き合った松本。移ろう四季に、ふたりの入魂の芝居が刻まれた「桜のような僕の恋人」、引き続き注目だ。 ▶︎ 中島健人×松本穂香、バレンタインに“デート写真”公開! -
坂口健太郎も出演! 岡田准一と最狂バディ結成の「ヘルドッグス」
2022年3月14日「関ヶ原」(17)「検察側の罪人」(18)「燃えよ剣」(21)などのヒットメーカー原田眞人監督が、「関ヶ原」「燃えよ剣」に続き原田監督と3度目のタッグとなる岡田准一を主演に迎えて描く「ヘルドッグス」。このたび坂口健太郎の出演が明かされ、9月16日(金)公開が決まった。 相性98%の狂犬コンビ! 岡田が演じるのは、正義も感情も捨て、腕っぷし一つでヤクザ組織に潜入してのし上がる元警官・兼高昭吾(かねたか・しょうご)。兼高は、愛する人が殺される事件を止められなかったトラウマから闇に落ち、復讐するためだけに生きていた男で、その狂犬っぷりに目をつけた警察組織から、ヤクザ組織への潜入という危険なミッションを強要される複雑なキャラクターだ。岡田は技闘デザインも担当し、リアルかつ創作的なアクションを振り付けている。 坂口が演じるのは、兼高が潜入を強いられるヤクザ組織の一員、室岡秀喜(むろおか・ひでき)。室岡は死刑囚の息子ゆえに心に深い闇を抱え、組織内でも手がつけられない制御不能な存在だ。しかも満腹中枢が壊れ、常に空腹で何かを食べている。そんなサイコパスな室岡だが、警察のデータ分析によると、兼高との相性がなんと〈98%〉。警察は兼高に、室岡に喧嘩を売ることで組織へ潜入するよう指示する。もちろん相性抜群の二人は、最強の“狂犬コンビ”として猛スピードで組織を上り詰め、互いになくてはならない存在となっていくのだ。 「坂口健太郎のイメージとはガラッと違う」 坂口は「室岡というキャラクターは世間の坂口健太郎のイメージとはガラッと違う役」と自ら言うように、これまでの柔らかいイメージから一転、鋭い眼光やボサボサの髪、そして腕には兼高と同じくトライバルタトゥーを入れ、影のあるクレイジーな役回りだ。原田監督作に初参加の坂口は「お芝居していく中で、毎回裏切っていきたいなって気持ちがあった。監督とお話をさせてもらってやりたいっていうのは瞬間的に強く思いました。室岡の根本というか、どこに中心があるんだろうっていうのはすごく頭で考えて、マフィアのような集団の中にいる中で、どこか浮いちゃダメだって思っていたけれど、室岡なりの感情の出し方や異質感はすごく調節をしなきゃいけないなっていうのは思ってはいました」と語っている。 原田監督は坂口について「とにかく一番最初に本人と会って、色々話してみて、凄くいいなって思いました。ちょうど『クライマーズ・ハイ』で堺雅人と会った時とか、あるいは『日本のいちばん長い日』で松坂桃李と話した時とか、そういう時の、ああいい感じっていう、お互いにクリックするものがありました。室岡は97%サイコパスであっても原石の純真さが3%残っています。その微妙なニュアンスを健太郎は切なく的確に表現してくれました」と明かす。 室岡は兼高とバディとして行動するうちに、絶対的な信頼、そして強い憧れを抱くようになるが、初共演の岡田について坂口は「バディ感というか、僕はもう本当の兄貴のように慕っていたので、そういう画が映像になったときに感じてもらえると思います。セクシーで、とても切ない映画だなって感じますね」と振り返っている。 ▼坂口健太郎コメント映像はこちら 坂口健太郎コメント 室岡という役を考えている時間、乾いた笑顔の裏にある深い闇や寂しさを感じ、その感情を丁寧に、時には刹那的に放出する作業はとても心地の良い瞬間でした。 初めての原田組、この刺激的な現場を室岡として、岡田さん演じる兼高と一緒に潜る時間は、とても豊かな時間でした。 原田眞人監督コメント とにかく一番最初に本人と会って、色々話してみて、凄くいいなって思いました。ちょうど『クライマーズ・ハイ』で堺雅人と会った時とか、あるいは『日本のいちばん長い日』で松坂桃李と話した時とか、そういう時の、ああいい感じっていう、お互いにクリックするものがありました。室岡は97%サイコパスであっても原石の純真さが3%残っています。その微妙なニュアンスを健太郎は切なく的確に表現してくれました。 「ヘルドッグス」 出演:岡田准一、坂口健太郎 脚本・監督:原田眞人 原作:深町秋生「ヘルドッグス 地獄の犬たち」(角川文庫/KADOKAWA刊) 配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 著作:©2022 「ヘルドッグス」製作委員会 公式HP:www.helldogs.jp 公式SNS:@HELLDOGS_MOVIE